人材紹介における広告戦略とは?種類や集客のコツを解説

参入事業者数の多い人材紹介業界では、求職者を集めるための広告戦略が重要な意味を持ちます。しかしながら「どのような広告をどこに出せばいいのかわからない」「少ない予算で広告の効果を高めたい」このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、以下の内容を解説します。

  • 人材紹介業における広告の役割
  • 人材紹介で使われる広告の種類
  • 人材紹介における広告運用のコツ
  • 広告以外の集客方法


人材紹介業の立ち上げ直後で求職者集めに苦戦している方や、集客が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

人材紹介における広告の役割

人材紹介業における広告の役割は、広告を通じて人材(求職者)を集めることです。


人材紹介業は、顧客企業が抱える求人条件に合った人材を紹介することで、収益を得る仕組みとなっています。そのため広告掲載の最終ゴールは、自社が取り扱う求人に合った人材を集め、求人企業とのマッチングに導くことです。


また、人材紹介業は競合が非常に多い業界です。令和4(2022)年時点での、民間の有料職業紹介事業所数は28,740カ所にのぼります(*1)。


競合が多い業界で自社の競争優位性を確立するためには、自社が必要とする人材(求職者)のターゲティングをしたうえで、適切な場所に広告を掲載することが不可欠です。

*1(参照)厚生労働省「民営職業紹介事業所数の推移

人材紹介で使われる広告の種類

人材紹介で使われる広告には、以下のようなものがあります。

  • リスティング広告
  • SNS広告
  • オウンドメディア上の広告
  • 求人データベースを活用した広告(スカウトメール)

一つずつ解説します。

リスティング広告

リスティング広告とは、特定のキーワードを検索した場合に、Googleなどの検索結果画面に表示される広告を指します。特定のキーワードを検索したユーザーに対して広告を掲載できるので、自社が求める人材にアプローチしやすい点が特徴です。

例えば、IT人材を広告ターゲットにしている場合、「IT 転職」「エンジニア 仕事」などのキーワードを検索したユーザー向けにリスティング広告を掲載する方策が考えられます。自社が保有する求人条件に合わせて、リスティング広告の掲載先(検索キーワード)を選定するのがポイントです。

Googleなどの通常の検索エンジンだけでなく、「Googleしごと検索」や「Indeed」などの求人検索エンジンに広告を掲載するのも有効です。求人検索エンジンとは、インターネット上の求人情報を自動的に巡回し、一括して検索できるサービスを指します。

こういったサイトに広告を掲載することで、就職・転職意欲の高い層に効果的にリーチできるでしょう。

SNS広告

SNS広告とは、InstagramやFacebookなどのSNSで配信される広告を指します。ユーザー属性やニーズなどに基づき、セグメントを詳細に設定することで、細かくターゲティングできる点が魅力です。

ただし、プラットフォームによってアプローチしやすい層は異なります。各プラットフォームの特徴と自社の求める人材の特徴を考慮しながら、掲載先を選定することが重要です。

またSNS広告では通常、ユーザーのエンゲージメントに応じて広告料金が変化します。そのため、どのような人材にリーチするのか、あらかじめターゲティングしたうえで広告を掲載することが重要です。

以下、4種類のSNS広告の特徴を紹介します。

  • X(旧Twitter)広告
  • Facebook広告
  • Instagram広告
  • YouTube広告

X(旧Twitter)広告

X広告の特徴は、拡散性が高い点です。

広告形態としては、プロモ広告やダイナミック広告など、合計20種類のフォーマットが用意されています。

利用層としては、若年層が多いのが特徴です。例えば、新卒の求職者にアプローチしたい場合などに向いています。

Facebook広告

Facebook広告の特徴は、Facebook(Meta社)が保有している豊富な実名データにより、ターゲット属性を細かく設定できる点です。

例えば、自社のサービス利用層が20代女性の場合、20代の女性ユーザーに絞って広告を掲載するなどが可能です。

広告形態としては、画像広告や動画広告のほか、合計10種類のフォーマットが用意されています。

Instagram広告

Instagram広告の特徴は、ビジュアルや直感に訴えかける広告を配信できる点です。Facebookと同じMeta社が運営しているため、Facebookに近い精度のターゲティングが可能です。

比較的女性に人気のあるSNSであるため、女性の求職者にアプローチしたい場合に利用を検討するとよいでしょう。

広告形態としては、ストーリーズ広告や発見タブ広告など合計6種類のフォーマットが用意されています。

YouTube広告

YouTube広告の特徴は、幅広い層にリーチできる点です。年齢や性別などによるターゲティングはもちろん、ユーザーの興味関心やライフスタイルなどに合わせて広告を掲載できます。

例えば、ビジネス系チャンネルの視聴者向けにエージェントの広告を配信するなどの施策が可能です。

広告形態としては、インストリーム広告(動画の途中に挿入される広告)やバンパー広告(ショート動画風の広告)など、合計6種類のフォーマットが用意されています。

オウンドメディア上の広告

自社が運用しているウェブマガジンやブログ、情報コンテンツサイト(オウンドメディア)上に広告を配信するのも一つの手段です。

例えばですが、キャリアに役立つコンテンツと一緒に広告を配信する施策が考えられます。コンテンツ配信に力を入れることで、エージェントの利用を検討していない求職者(潜在層)にも興味を持ってもらいやすくなります。

オウンドメディア上のコンテンツと求人広告の掛け算により、潜在層に働きかけましょう。

求人データベースを活用した広告(スカウトメール)

求人データベースを活用した広告とは、求人データベースに登録している求職者(顕在層)にスカウトメールを送る手法です。

条件に合った人材に狙いを定めてアプローチしたい場合に適しています。

例えば、業界最大級の「マイナビ転職エージェントスカウトシステム」は、800万人以上の求職者情報から条件に合った人材にスカウトメールを送信可能です。

マイナビ転職スカウトデータベースの利用方法は、以下の記事にて解説しています。

人材紹介業における広告運用のコツ

人材紹介業における広告運用のコツを3つの観点から解説します。

  • 自社の売りを明確にする
  • 広告のターゲットを絞り込む
  • 効果検証を実施し、戦略的に広告を打つ

一つずつ見ていきましょう。

自社の売りを明確にする

まずは、自社の売りを明確にすることが重要です。人材紹介業界は競合が多いため、闇雲に広告を出稿しても効果につながらない可能性が高いためです。

自社の強みは何かを明確にし、差別化要素を出すことで、広告の効果を最大限に高められるでしょう。

人材紹介業における差別化戦略については、以下の記事でより詳しく解説しています。

広告のターゲットを絞り込む

広告のターゲットを絞り込むことも重要です。冒頭でも触れたように、求職者の属性が求人条件に合っていなければマッチングは成立しません。

例えば、理系人材の求人を数多く取り扱っているエージェントが多数の文系人材を集客できたとしても、当然マッチングには結びつきません。

取り扱う求人の方向性を把握したうえで、広告のターゲットを絞り込みましょう。

効果検証を実施し、戦略的に広告を打つ

広告掲載後は、効果検証を実施することを忘れてはなりません。効果検証をしないと、集客力の高い広告と低い広告を判別できず、広告予算を無駄にすることになりかねないためです。

とくに複数の広告を出している場合、それぞれの広告の効果を検証する必要があります。それぞれの広告の費用対効果を定量的に把握し、コストパフォーマンスが高い広告に優先的に予算を投入しましょう。

「現状分析→仮説構築→広告掲載→効果検証」のPDCAサイクルを意識しながら、勝率の高い掲載先を見極めることが広告運用を成功させる秘訣です。

人材紹介における広告以外の集客方法3選

広告以外で求職者を獲得する方法を3つ解説します。

  • ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)
  • サービス利用者による紹介(リファラルマーケティング)
  • 過去の利用者への再アプローチ


広告掲載は有効な集客手段の一つですが、戦略は複数持っておくと役立ちます。詳しく見ていきましょう。

ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)

ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)とは、求職者と直接コミュニケーションを取りながらエージェントの利用を促し、マッチング成立に導く手法です。条件に合う人材に直接アプローチできる点がメリットといえます。

XやInstagramなどの一般的なSNSを活用するのもよいですが、ビジネス向けSNSであるLinkedin(リンクトイン)の活用も有効です。Linkedinのユーザーは基本的に実名で経歴や保有資格などを一般公開しているため、自社が保有する求人に合った求職者を見つけやすいでしょう。

日頃からさまざまなSNSで情報収集しておき、優秀な人材を見つけたらぜひ積極的にコンタクトを取ってみてください。

サービス利用者による紹介(リファラルマーケティング)

自社サービスをすでに利用している人の知人を紹介してもらう手法も有効です。

求職者の立場からすると、すでに自社サービスを利用している人から話を聞くことができるため、サービス利用のハードルが比較的下がりやすい(顕在顧客となりやすい)でしょう。

過去の利用者への再アプローチ

既に数ヶ月にわたって集客を継続している場合、過去にマッチングに至らなかった求職者へ再度アプローチする手法も有効です。

以前のアプローチ時には条件が合わずマッチングに至らなかった場合でも、社会情勢や生活環境の変化により、再度エージェントの利用を検討する可能性があるためです。

未開拓の人材にアプローチすると同時に、過去の利用者へのアプローチも前向きに検討しましょう。

以下の記事では、人材紹介における集客のノウハウについて幅広く解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

人材紹介における広告は戦略が重要

本記事では、人材紹介における求職者の集客で使える広告手法について解説しました。

人材紹介業界は競合が多い市場であるため、条件にあった人材のターゲティングをしたうえで、集客効果の高い掲載先に広告を出稿することが成功の秘訣です。広告の掲載効果をきちんと検証しながら、戦略的に集客を進めましょう。


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