オンラインコミュニケーションが新常識の時代、人気のツールランキングは?効果的な使い方は?

コロナ以降、ビジネスシーンではオンライン会議、チャットツールの利用が広がっています。
採用面接の場でもオンライン面接が導入されたり、チャットツールは在宅勤務者にとって非常に便利なものになったりしています。

しかし、これらのツール導入や利用については、年代などによる温度差もあります。そうした中で、非接触という目的以外では業務上どのようなメリットをもたらすでしょうか。

人気のオンライン会議、チャットツールのランキングは?

オリコンの2021年10月の発表によると、満足度の高いWeb会議ツールとビジネスチャットツールのランキングは以下のようになっています(図1)。

図1 Web会議ツール、ビジネスチャットツールの満足度ランキング
出所:「2021年 満足度の高い『Web会議ツール』『ビジネスチャットツール』ランキング発表」オリコン株式会社

Web会議ツールのZoom Meetingsは2年連続の1位を取得しています。「使いやすさ」が大いに評価されています。

いまやこうしたツールの利用は当たり前になってきました。また、「オンラインではコミュニケーションがしにくくなる」といった課題もある中で、併用する企業も少なくないことでしょう。

筆者は対談のまとめやインタビューの仕事をしばしば受けることがあるのですが、緊急事態宣言解除後も、同じ都内でもWeb会議で実施することが増えています。なかには近場ならば直接会い、遠ければWebで実施する、という、企業の経費削減策としてWeb会議が導入されていることもあります。
また、録音・録画が手軽にできることも魅力のひとつだと筆者は感じています。

Webやチャットでもチームワークを上げる「ある行動」

Web会議やチャットだけでは言いたいことが伝わらない、といった声も少なくはありませんが、サイボウズが興味深い調査結果を公表しています。

週1日以上在宅勤務をしている会社員・公務員・経営者・役員3,087名を対象に実施したアンケート調査で、コミュニケーションについて様々な質問をしたものです。
なかでも、チームワークについて調査したものがあります。

ここでいうチームワークの指標は以下の項目です*1。

・チームの目指す方向への理解
・メンバーの役割分担
・チーム内コミュニケーション
・知識や経験など情報共有
・モチベーション
・公明正大かどうか

これを、「業務に関わる」コミュニケーション時間数と、「業務に直接関わらない」コミュニケーション時間数の1日当たりの長さごとに計測した結果、下のようになりました(図2、3)。

図2、3 コミュニケーション時間数とチームワーク特典の相関
出所:「在宅勤務者3,000人に聞く『テレワークのコミュニケーション』調査」サイボウズ株式会社

業務に関係するコミュニケーションは取るに越したことはない、というのは感覚的にも理解できることでしょう。
ただ注目したいのは、「業務に直接関わらないコミュニケーション」の量です。

0分よりも30分未満程度のコミュニケーション量で最もチームワーク得点が高くなっています。
今の若い世代は業務以外の会話を嫌うのでは、仕事以外の話題は嫌がられるのでは・・・という論調もありますが、在宅勤務にあたってはそうとも言い切れないようです(図4)。

図4 業務に直接関わらないコミュニケーション時間について
出所:「在宅勤務者3,000人に聞く『テレワークのコミュニケーション』調査」サイボウズ株式会社

むしろ、20代、30代の若い層ほど「もっと多くしたい」という回答者の割合は多くなっているのです。対面よりもチャットやSNSのほうが得意という世代であることが考えられるのと、さすがに、自宅勤務の閉塞感には耐えがたいという心情もあるのでしょう。

また、Z世代の場合、自分の存在をアピールしておきたい、という可能性もあります。
エージェントとしては、転職希望者とのコミュニケーションの形として意識したいものです。

Web会議の「正の側面」を意識した面接指導も

さて、ここでWeb会議や面談の「良い部分」を探してみます。

やはり対面よりももどかしさを感じる部分は否めません。特に面接の場合はそのもどかしさは強くなるでしょう。

しかし、Web会議がユーザーにもたらした効果もあるようです。

文化庁の調査によると、Web会議で話し方について気をつけるようにしているという人が注意している点として以下のものが挙げられています(図5)。

図5 ビデオ通話やWeb会議等で気をつけていること
出所:「令和2年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」文化庁 p10

また、マスクをしていることでも話し方に変化が出ている人の場合、注意点は以下のようなものです(図6)。

図6 マスクをつけることによる話し方の変化
出所:「令和2年度『国語に関する世論調査』の結果の概要」文化庁 p7

これらは、考えてみれば本来あるべきコミュニケーションの基本です。
Web会議やマスクがなくなったとしても、重要な要素として身につけておきたいものです。

Webやチャットだからこそ磨ける会話力にも注目を

何かと「やりづらい」と言われがちなWebでの業務ですが、やりづらいからこそ身につくコミュニケーションスキルもあるはずです。
特に面談・面接では「伝えようとする努力」は前向きな材料となるでしょう。
また、不便な状況への適応力も測ることができます。

コロナ時代での転職には多少の不便がつきまとうかもしれません。しかし、ピンチをチャンスに変えることができるという前向きな考え方を持つのは重要なことです。


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【エビデンス】
*1 「在宅勤務者3,000人に聞く『テレワークのコミュニケーション』調査」サイボウズ株式会社


【著者】清水 沙矢香
2002年京都大学理学部卒業後、TBS報道記者として勤務。
社会部記者として事件・事故、科学・教育行政その後、経済部記者として主に世界情勢とマーケットの関係を研究。欧米、アジアなどでの取材にもあたる。
ライターに転向して以降は、各種統計の分析や各種ヒアリングを通じて、多岐に渡る分野を横断的に見渡す視点からの社会調査を行っている。
Twitter:@M6Sayaka