人材紹介会社を使う求人企業の思わず感動した話

これから人材紹介会社を立ち上げたいと考えている方にとっては、顧客である求人企業にどんな満足を届けられるのか、具体的なイメージがつかみづらいかもしれません。

マーケティングの観点で考えると、ビジネスを成功させるためにはカスタマーエクスペリエンス(CX、顧客体験)のデザインが不可欠です。

そこで本記事では、求人企業で“人材紹介を利用してきた側の立場”である筆者の体験談をご紹介したいと思います。

人材紹介で出会える求職者のレベルの高さに驚く

人材紹介会社を利用した採用活動をスタートする前は、主にハローワークや求人広告を経由して人材の採用を行っていました。

ハローワークや求人広告での採用に限界を感じて踏み切ったのが、人材紹介会社の利用です。

結果、“人材紹介で出会える求職者のレベルの高さ”に驚くことになりました。

人材紹介会社の利用は即戦力人材の採用に直結

初めて人材紹介会社を利用して第一に感じたのは、「応募者の空気感がガラッと変わった」ということ。

具体的には、即戦力に直結する実務経験や、専門知識・スキルを持っている応募者の割合が倍増しました。

人材紹介会社を利用する際、多くの企業は費用の高さに二の足を踏みます。採用決定者の年収の30〜50%にもなる紹介手数料は、正直なところ大きな負担です。

しかし、実際に一度利用してみれば、その費用分の価値があることを実感できます。

データを見て納得

「人材紹介会社を利用すると、求める人材に出会いやすい」という感覚は、後にデータで見ても納得しました。

以下は「転職者が現在の勤め先に就職するためにどのような方法で転職活動を行ったか」の調査結果です。

引用)厚生労働省「平成 27 年転職者実態調査の概況」P21 赤塗色は筆者追加

主に「20代後半〜30代前半の大卒の求職者」の人材を獲得したいと採用活動していたのですが、上記データによれば、この層は“人材紹介会社を利用している割合が高い”ことがわかりました。

「なるほど、ここに欲しい人材がいたのか!(ほかの手法に固執していても、採用活動がうまくいかないわけだ)」

……という納得感があったのです。

マッチング効果で応募者とじっくり向き合えるように

さらに重要なのが「マッチング効果」です。

人材紹介会社を経由してくる求職者は、前述のとおり欲しい人材が多く存在しているうえに、人材紹介会社の“マッチング”というフィルターによって、厳選された求職者のみが紹介されます。

結果、ハローワークや求人広告を利用した採用活動よりも、初期選考のプロセスが大幅に短縮されました。

社内には余裕ができ、その分、ひとりひとりの応募者とじっくり向き合えるようになったのです。

たとえ「入社しない/不採用」という結論になったとしても、お互いの将来に向けて最適解を探っていくプロセスは、意義あるものに変わりました。

良き伴走者のエージェントの存在

加えて、ハローワークや求人広告経由での採用活動にはない新しい体験が、「人材紹介会社のエージェントが熱心に連絡をくれ、求職者との間に立って貴重な情報提供をしてくれる」ことでした。

採用活動に本当は絶対不可欠な“エージェント”

すでに人材紹介会社のエージェントをされている方からすれば、

「エージェントが間に立ってサポートするのは当たり前」

と思うかもしれませんが、その当たり前に感動しました。

今までは、手探りで想像するしかなかった選考中の応募者の状況やリアルな本音を、エージェント経由で把握できるようになったのです。

面接官が何の気なしに発した一言が応募者に大きな不安を与えていたり、雑談のつもりで話した社内の日常が魅力と受け取られたりと、反省や成長につながる気づきがありました。

これは、求人企業と求職者との間に“エージェント”として入り、仲介してくれる立場の人材紹介会社なしには得られなかった財産です。

エージェントと接するたびにラーニングが社内に蓄積されていく

人材紹介会社を通して採用活動を進めるごとに、そのラーニングは社内の知的財産として蓄積され、どんどん採用に強い会社へと成長していくことができました。

今では、「採用力がない」と悩む企業は、自身の採用力を鍛えるためにも、(一時的でも)人材紹介会社を使うべきだと考えています。

人材紹介会社を経由した採用活動のプロセス自体に、学びが詰まっているからです。

伴走者がいるから採用活動をやり抜ける

エージェントは、求人企業のメンタル面までもサポートしています。

採用といえば、一般的によく話題になるのは、転職活動をしている求職者側のストレスです。例えば「不採用が続いてつらい」「嫌な面接官に当たった」などが挙げられます。

一方で実は、求人職企業で採用に関わる人たちも、傷ついたりストレスを感じたり、時には胃をキリキリいわせながら、採用活動に取り組んでいます。

内定辞退が続けば自社を否定されたようで気持ちが沈みますし、「面接でまずいことを言っただろうか」などと気にする面接官もいます。

そんなリアルがあるからこそ、伴走してくれるエージェントの存在は、大きなものなのです。

時には改善すべきところを的確に指摘しながら、常に前向きな気持ちへと引き上げてくれる。

そして、

「御社のために、必ずピッタリの方をご紹介しますので!」

というエージェントの方の熱意に刺激を受けながら、採用活動をやり遂げることができます。

「人が好き」という気持ちが、良い採用を支えている

人材紹介会社の仕事をする方々は、その根本に共通して「人が好き」という気持ちがあるように感じます。

人間をサービスとして扱う“難しさ”と“尊さ”を知っているプロ

「人材」というまさに“人間”を扱うサービスを生業とし、そのプロ意識を感じるとき、とても感動してしまいます。

求職者が「人」であるのはもちろんですが、求人企業も結局のところは「人」です。

人と人とを引き合わせる仕事だからこそ、時にセンシティブで多方面への繊細な気遣いが求められます。

と同時に、そこには数字やデータでは計れない「思い」が存在します。

その人の人生、その企業の将来を大きくうねらせる責任と尊さを知っているのが、プロの人材紹介会社だと思うのです。

あなたが紹介してくれたあの人は今この瞬間も活躍しています

あるとき、久しぶりにお会いした人材紹介会社のエージェントの方に、

「あのときご紹介いただいた●●さん、大活躍ですよ!」

とうれしくてお伝えました。

「そう言っていただくと、エージェント冥利に尽きます!」

目尻をギュッと下げた、あふれんばかりの笑顔が印象的でした。

すばらしい人材の採用が決まったときは、本当にうれしいものです。

そして、人材紹介会社につないでもらったご縁がずっとつながっていく。

人と人をこんなにも結び付ける仕事は、ほかにないのではないでしょうか。

さいごに

最後にひとつ、興味深いデータをご紹介します。

以下は2020年の中途採用で実施した手法の中で「効果があった手法」の調査データです。

引用)マイナビ「中途採用状況調査2021年版」P60を筆者加工

注目したいのは、“従業員数3〜50名”の中小企業で「人材紹介会社」の割合が23.5%と低い数値になっている点です。

このデータを見て、

「中小企業では人材紹介会社に効果を感じていない。

だから中小企業向けに人材紹介ビジネスを立ち上げても成功できない」

と判断する人もいるでしょう。

しかしながら、人材紹介会社の持つポテンシャルを現場でひしひしと感じてきた筆者は、こう感じました。

「人材紹介会社の価値にまだ気づいていない中小企業が、なんと8割近くも存在している。

この8割の企業のニーズをキャッチして人材紹介ビジネスを展開したなら、ブルーオーシャン(競合がいない未開拓の市場)ではないか」

これから人材紹介業界に参入される方々には、「まだ人材紹介の効果を知らずにいる企業」に人材紹介の真価を伝え、採用難といわれるこの時代を乗り切るサポートをしていただければと思います。


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【著者】三島 つむぎ

ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。