新規参入のハードルの低さと少子化の相乗効果により、人材紹介業界の市場規模は年々拡大傾向にあります。
一方、これから人材紹介業を始める、あるいは今の事業をより伸ばしていくなかで、「集客はどのようにすれば良いの?」という悩みを抱えている方も多いでしょう。
本記事では、以下の内容をまとめています。
- 人材紹介業におけるおすすめ集客方法
- 人材紹介業における集客コストの決め方
- 人材紹介業において求職者にアピールすべきポイント
これから人材紹介業の立ち上げを検討している方はもちろん、集客が伸び悩んでいる人材紹介業の方も、ぜひ参考にしてください。
※本記事における「人材紹介業」とは「有料職業紹介事業」を指します。
目次
人材紹介業における集客方法おすすめ5選
人材紹介業で収益を得るためには、「求人の確保」と「求職者の集客」が必須です。ここでは求職者を集客するおすすめの方法を5つ紹介します。
- スカウトメールによる集客
- SNSによる集客
- 広告掲載による集客
- オウンドメディアによる集客
- 過去の利用者への再アプローチ
スカウトメールによる集客
人材紹介業における最も代表的な集客方法は、求職者データベースで求人条件に合う求職者を検索し、スカウトメールを送付する方法です。
スカウトメールによる集客のメリットは、メールを送信するだけで短時間で多くの求職者にアプローチできる点です。また文面を作り込めば、知名度が低い企業でもマッチング率の向上が期待できます。
ただし手軽にアプローチできるがゆえに、幾多の競合他社もスカウトメールを送信している点も忘れてはなりません。求職者は何十通ものスカウトメールを受け取っており、送ったメールを読んでもらえない可能性があるのです。
スカウトメールによる集客を成功させるためには、見込み客となる求職者の興味を惹く文章を作成する力量が問われます。誰彼構わず定型文を送信するのは避け、一人ひとりに合わせて文面を考えるなど、一手間の工夫が大切です。
なおスカウトメールの送信方法は、「求人情報サイト登録者向けスカウトメール」と「エージェント登録者向けスカウトメール」に大別されます。詳しく見ていきましょう。
スカウトメールの種類① 求人情報サイト登録者向けメール
1つめは「マイナビ(*1)」や「マイナビ転職(*2)」などの求人情報サイトに登録しているユーザーに対し、スカウトメールを直接送る方法です。
例えば中途採用向け総合求人サイト「マイナビ転職」の場合、428万人のスカウト登録者(*3)から求人条件に合う人材にスカウトメールを送信できます(2023年2月時点)。
求人情報サイト登録者向けのスカウトメールのメリットは、アプローチ可能な求職者の母数が多い点です。豊富な数の見込み客に手軽にアプローチできるため、まとまった数の集客が必要な場合に現実的な選択肢と言えます。
また人材紹介事業の立ち上げ直後などは、求職者のニーズやトレンドをひとまず把握するための「市場調査」や「テストマーケティング」という位置付けで、求人情報サイト登録者にアプローチしてみるのもよいでしょう。
ただし求人情報サイトの場合、求人先企業が求職者へ直接スカウトメールを送るケース(ダイレクトリクルーティング)も多く、顧客獲得競争が激化しやすい傾向にあります。
見込み客からの返信率を上げるためには、前述の通りスカウトメールの文面を工夫することが重要です。
以下の記事にて、スカウトメールの返信率を上げるコツを紹介しています。ぜひ合わせて参考にしてください。
*1(参考)マイナビ
*2(参考)マイナビ転職
*3(参考)マイナビ転職「中途採用をご検討の企業様へ」
スカウトメールの種類② エージェント登録者向けメール
2つめは「マイナビ転職エージェントサーチ(*1)」や「マイナビエージェント(*2)」などのエージェントサイトに登録しているユーザーに対し、スカウトメールを直接送る方法です。
エージェント登録者向けのスカウトメールには、返信率が比較的高いというメリットがあります。エージェントに登録する求職者は、比較的行動意欲の高い層であるためです。
ただし求人情報サイトと比較すると、求職者の母数は少ない傾向にあります。スカウトメールの送信数で勝負するというよりも、的をある程度絞って求職者にアプローチしたい場合におすすめの集客方法です。
より多くの求職者にアプローチしたい場合は、業界最大級の「マイナビ転職スカウトデータベース」を活用してはいかがでしょうか。「マイナビ転職スカウトデータベース」は700万人以上の登録者に直接スカウトメールが送れるサービスです。エージェントを利用して転職したい求職者に効率的にアプローチできます。
*1(参考)マイナビ転職エージェントサーチ
*2(参考)マイナビエージェント
SNSによる集客
2つめは、FacebookやTwitter、LinkedinなどのSNS上で求職者に役立つ情報を発信することで自社サービスの認知度を上げ、集客に結びつける方法です。SNSによる集客は別名「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれます。
ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査(*1)」によると、2022年現在、日本のSNS利用者は8,270万人(普及率82%)に達しており、行動意欲の高い求職者はもちろん、行動意欲が低い優良人材に働きかけることも可能です。
またSNSの多くは無料で登録可能であり、費用面の負担がありません。DMなどのコミュニケーションツールを活用し、見込み客と双方向のコミュニケーションを大切にしましょう。
ただしSNSで発信する情報の質には、十分に注意する必要があります。発信内容が不適切な場合、炎上する(=批判が殺到し、収集がつかない状態になる)リスクがあるためです。一度炎上してしまうと、自社サービスのイメージ低下や客離れにつながる可能性があるため、SNS運用者にはITリテラシーが求められます。
SNSによる集客を成功させるには、各媒体の特徴や利用層が好むコンテンツを研究することが重要です。例えばFacebookは30代以上の利用者が多いのに対し、TwitterやTikTokは比較的若年層の利用者が多い傾向にあります(*2)。各利用層に合わせた発信をすることで、効率的に集客につなげましょう。
*1(参考)ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
*2(参考)総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
広告掲載による集客
3つめは、求人広告を掲載することによって集客する方法です。人材紹介業界でよく使われる広告手段は、求人情報サイトへの広告とリスティング広告の2つです。一つずつ見ていきましょう。
広告の種類① 求人情報サイトへの広告
「マイナビ(*1)」「マイナビ転職(*2)」などの求人情報サイトに、自社が保有する求人情報を掲載する方法です。
求人情報サイトを利用するメリットは、求人情報を掲載して応募を待つだけでよい点です。採用担当者としては、採用業務の効率化につながります。ただし、広告掲載時点でコストがかかる点には注意が必要です。
求人情報サイトを利用する場合、広告掲載が効果的な求人かどうかを見極めながら広告を打つことが成功の秘訣です。
広告の種類② リスティング広告
リスティング広告とは、Googleなどでユーザーが検索をした際、検索キーワードと連動して表示される広告です。
クリック課金制の広告であれば、広告掲載時点ではコストが発生しないため、経費を抑えることが可能です。キーワードと広告の組み合わせを工夫すれば、マッチング確率の高い求職者の集客が期待できるでしょう。
ただし適切な効果を得るためには、キーワード選定や広告運用の専門知識が必須です。掲載した広告を放置せず、効果測定や仮説検証を繰り返しながら進める必要があります。社内に専門知識のある人材がいない場合、外部の専門家からアドバイスしてもらうのも有効です。
オウンドメディアによる集客
4つめは、自社で運営するメディアを開設し、集客に使う方法です。
具体的には、転職や就職に有益なコンテンツ(記事・動画など)を自社サイト内で発信し、それを見た人に対して自社が保有する求人への応募を促します。発信するコンテンツの中に自社サービスの宣伝を含めることで、サービス認知度を上げることも可能です。
オウンドメディアによる集客の場合、自社でコンテンツを制作すれば、追加コストがかかりません。自社の集客ペースに合わせて発信内容や発信頻度を自由に調整できる点もメリットです。
ただし、単にコンテンツを発信するだけではなかなか集客に結びつきません。確実な集客効果を得るためには、運用担当者にSEOの専門知識が必須となります。
SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)とは、Googleなどの検索エンジンの上位に情報を表示するために実施する施策です。特定のキーワードが検索された際、検索結果の上位に自社コンテンツを表示させることで、サイトへの流入を増やすことが目的です。
検索エンジンからの流入が安定するまでにはある程度の時間がかかるため、長期的な視野を持ちながらオウンドメディアを成長させていきましょう。前述のSNS発信と連動させるのも効果的です。
過去の利用者への再アプローチ
既に数ヶ月にわたって集客を継続している場合、過去にマッチングに至らなかった求職者へと再アプローチするのも有効です。
求職者の意思は、生活環境の変化や社会情勢によって変わることがあります。以前の応募時には意思が固まらずに保留になっていたとしても、今は意思が強まっている可能性もあります。
未開拓の人材にアプローチすると同時に、過去の利用者へのアプローチも検討しましょう。
人材紹介業における集客コストの決め方
一般的に、人材紹介業における適切な集客コストは以下の式で計算されます。
集客予算上限(求職者一人あたり)=(営業利益+集客コスト)/ 獲得求職者数
なお「集客コスト」には以下のようなものが含まれます。
- 広告掲載料
- スカウトメール使用料
- 外部サイトの利用手数料 など
当然ながら、集客コストが「集客予算上限」を超えると損益となり、上限から下げれば下げるほど利益となります。集客コストを定期的に見直し、自社にとって最も費用対効果の高い集客方法を模索し続けることが、安定的な事業運営のコツです。
人材紹介業で集客を増やすための4つの差別化戦略
ここでは、人材紹介業における差別化戦略として効果的なポイントを4点解説します。
- 得意分野を明確化する
- 取り扱い求人数を増やす
- サービス認知度を高める
- サポート体制を充実させる
顧客獲得競争が激しい人材紹介業界において求職者に選ばれ続けるためには、自社の強みを積極的にアピールし、差別化していく戦略が重要です。詳しく見ていきましょう。
得意分野を明確化する
第一に、自社の得意分野を明確化することが大切です。幅広い求人に対応することに触れつつも、自社が特に得意とする業種・職種を明確にアピールすることが差別化と集客につながります。
最初のステップとしては、ユーザー心理の研究や競合分析などを念入りに行い、自社のオリジナリティ(基本コンセプト・方向性・ターゲット・強みなど)を定めることが重要です。そのうえで、そのオリジナリティの「表現方法」は複数考えられます。
例えば、特定の業種・職種に刺さるようなキャッチコピーを検討し、ホームページのトップにて強調する方策や、「○○特化型転職サイト」「リモート案件○件以上」など、特定の業種・職種で希望されやすい条件を強調する方策などです。
オリジナリティの確立とその表現方法にこそ、各社の創意工夫が光ります。自社サービスの「土台」を見直すことで、オリジナリティを打ち出していきましょう。
取り扱い求人数を増やす
取り扱い求人数は多ければ多いほど、競合との差別化につながります。人材紹介業で収益を上げるためには「求人数の確保」と「求職者の集客」の2軸が必要であることは、前述した通りです。
求人数の多さは求職者の目を引きやすく、サービスを選択する際の判断材料の一つにもなります。また、求人の種類が多いことで求職者の希望条件に合った求人を提案しやすくなり、マッチング率の向上も期待できるでしょう。
ただし、事業の規模がそれほど大きくない場合、求人数を増やすことはそう簡単ではありません。
求人数を確保する具体策としては「マイナビJOBシェアリング」の活用がおすすめです。マイナビJOBシェアリングとは、マイナビが保有する求人情報を、全国250社以上の提携人材紹介会社に共有するサービスです。
マイナビJOBシェアリングとの業務提携にご関心をお持ちの人材紹介事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
サービス認知度を高める
自社サービスの認知度を高めることも大切です。求職者のニーズを満たすために、求人案件の量と質を保つことは大前提となりますが、求人票だけでは認知度の高い競合に勝てない可能性があるためです。
具体例として、SNSやオウンドメディアを通じて、ユーザーを惹きつけるコンテンツを発信する方策が考えられます。転職を成功させるためのハウツー情報を発信する、SNS上でユーザー巻き込み型のキャンペーンを企画するのも有効です。
サービスの認知度はすぐに高まるものではありませんが、日々の施策の積み重ねが集客力アップにつながります。
サポート体制を充実させる
職を得るという最終目的を達成するまでのサポートを充実させることも、求職者へのアピールポイントとなります。
求職者の一番の目的は職を紹介してもらうことではなく、職を得ることです。求職者が職を得るためのサポートは、マッチングの成功率を高めることにも直結します。
具体的には、キャリアアドバイス、応募書類の添削、面接対策、面接日程の調整、条件交渉のサポートなどの体制です。各種フォローアップを充実させることで、マッチングの成功率を高めましょう。
(記事のまとめ) 人材紹介業における集客は長期的な視野を持って戦略的に進めよう
本記事では人材紹介業の集客にまつわるノウハウを紹介しました。人材紹介業界は顧客獲得競争の激しい業界であるがゆえに、安定的な集客を得るためには自社サービスを堅実に育てていくことが重要です。
業界最大級の「マイナビ転職スカウトデータベース」などのツールも適宜活用しながら、長期的な視野で集客に取り組みましょう。
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