中途採用等支援助成金とは?3つのコースの内容と受給方法を確認しよう

中途採用等支援助成金は、その名前の通り中途採用を行った企業が受給できる助成金のことです。

支給要件はあまり厳しくないので、ぜひ知っておいて欲しい制度の一つです。

今回はその中途採用等支援助成金について、3つのコースの内容や、受給要件を詳しく解説して行きます。

受給するためのポイントも確認して、中途採用の成功を目指しましょう。

中途採用等支援助成金とは

中途採用等支援助成金は、中途採用の拡大と併せ、東京圏から移住者などを雇い入れることにより、雇用の機会を作り出そうとしている事業主を支援することを目的としています。

人手が足りないと感じているものの、採用活動にかける費用がなく、中途採用に積極的になれない中小企業は少なくありません。一方で、就職したくてもなかなか就職できずにいる求職者も多く存在します。

そのような企業と求職者を結び付け、転職・再就職者の採用機会の拡大および人材移動の促進を図るとともに、生涯現役社会の実現を促進することが制度の趣旨です。

中途採用等支援助成金の3つのコース

中途採用等支援助成金には、「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」「生涯現役起業支援コース」の3つのコースがあります。

それぞれのコースは、行った事業内容・施策によって異なります。

(参考)厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」を参考に筆者作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html

それぞれのコースについて詳しく見ていきます。

中途採用拡大コース

中途採用拡大コースは、中途採用者の雇用管理制度を整備した上で中途採用の拡大を図った事業主に対して助成するものです。

中途採用の拡大を通じた生産性の向上に取り組む事業主への支援を目的としています。

このコースは、支給内容によって以下のように2つに区分されます。

(参考)厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」を参考に筆者作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html

「中途採用拡大助成」を受給した後に、さらに条件を満たせば「生産性向上助成」を受給することができます。

中途採用拡大助成の受給要件

中途採用拡大助成を受給するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。*1

まず「中途採用計画」を作成します。

中途採用計画には、労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生などの中途採用者の雇用管理制度の整備や、中途採用の拡大に取り組む期間の記載が必要です。

計画初日の6ヶ月前から、計画初日の前日までに管轄の労働局へ提出しなければなりません。

次に5つの「要件を満たす労働者」を雇用します。

1. 申請事業主に中途採用で雇用された人
2. 雇用保険の一般被保険者または、高年齢被保険者として雇用された人
3. 期間の定めのない労働者として雇用された人(パートタイム除く)
4. 雇用日の前日から起算してその日以前1年間、雇用関係がなかった人
5. 雇用日の前日から起算してその日以前1年間、申請事業者と関係がなかった人

そして要件を満たす労働者の雇用により、中途採用計画期間内に中途採用計画に記載した「中途採用の拡大」を図ります。

1. 中途採用計画期間より前の中途採用率が 60 %未満の事業所が、中途採用計画期間内に支給対象者を2人以上雇い入れ、中途採用率を中途採用計画期間前と比較して 20 ポイント以上向上させること

2. 中途採用計画期間より前に45歳以上の方を中途採用したことがない事業所が、中途採用計画期間内に45歳以上の方を初めて中途採用したこと

3. 中途採用計画期間中、中途採用に係る定量及び定性情報を公表した事業所が中途採用計画期間内に支給対象者を10人以上(中小企業事業主は2人以上)雇い入れ、中途採用計画期間前と比較して上回っていること

これらをすべて満たしたうえで、支給申請を行い、承認されれば、助成金を受け取ることができます。

生産性向上助成の受給要件

生産性向上助成は、中途採用拡大助成の支給を受けた事業主が、さらに生産性を向上させた場合に受給することができます。

具体的には、中途採用拡大助成で作成した「中途採用計画」の計画期間初日が属する会計年度の前年度とその3年度後の生産性を比較し、3年度後の生産性が6%以上向上していれば受給することが可能です。

受給額

気になる受給額を見てみましょう。

(引用)厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html

実施区分によって助成額は異なりますので、該当する箇所を確認してください。

中途採用計画を達成すれば、中途採用拡大助成と生産性向上助成を合わせて、最大110万円受給することができます。

UIJターンコース

UJIターンコースは、東京圏からの移住者を雇用した事業主に対し、その採用活動に要した経費の一部を助成してくれるものです。*2

採用計画を設定した期間内に、対象となる労働者を1名以上雇用した事業主が対象です。

受給要件

UIJターンコースの対象となる労働者は、以下の要件を満たしている必要があります。

東京圏からの移住者
・地方公共団体が開設・運営しているマッチングサイトに掲載された当該事業主の求人から雇用された方
・雇用保険の一般被保険者もしくは高年齢被保険者として雇用された方
・継続して雇用することが確実であると認められる方

UIJターンコースの対象は、「移住支援金」の受給者が対象です。

移住支援金とは、東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外へ移住し、起業や就業等を行う方に、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業のことです。*3

移住支援金は新卒採用も対象になりますが、中途採用等支援助成金については、あくまで中途採用を目的としているので、新卒の移住支援金受給者は対象外となります。

受給額

助成金として支給される助成額は、経費の合計に対し、上限を100万円として中小企業は1/2、中小企業以外は1/3です。

助成の対象となる経費は、募集・採用パンフレット、自社ホームページや自社PRの動画の作成費から、就職説明会、面接会などの実施経費、外部専門家によるコンサルティング費用などです。

しかし、民間有料職業紹介事業の紹介手数料や、求人情報誌や求人情報サイトへの掲載料などは対象になりません。

生涯現役起業支援コース

生涯現役起業支援助成金とは、40歳以上の方の起業を支援する助成金です。*4

生涯現役起業支援コースの助成内容は、「雇用創出措置助成分」と「生産性向上助成分」に分かれています。

(参考)厚生労働省「中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)」を参考に筆者作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html

受給要件

助成金の対象となるためには、起業から11ヶ月以内に「雇用創出措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長 の認定を受けます。

計画書を作成したら、内容に従い計画期間内に従業員の雇用を行います。

雇い入れる者は以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

・60歳以上を1人以上雇用する
・40歳以上60歳未満を2人以上雇用する
・40歳未満を3人以上雇用する
・40歳以上を1人、40歳未満を2人雇用する

また、支給申請書提出日において、計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないことや、離職者の数が、計画期間内に雇い入れた対象労働者 の数を超えていないことなどの条件があります。

事業主に対しても、細かな要件の指定があります。

個人または身内だけで創業する場合は、対象外になりますので気を付けましょう。

起業を考えている40歳以上の方にとって、とても頼りになる助成金です。

しかし起業してからの期限がありますので、受給を検討している方は早めに確認しておきましょう。

受給額

起業時の年齢区分に応じて、計画期間内に要した雇用創出措置に係る費用の合計に、それぞれの助成率を乗じた額が支給されます。

起業時の年齢区分が、60歳以上の場合、 上限を200万円として、費用の2/3です。

起業者が40歳~59歳の場合は、上限が150万円となり、費用の1/2が助成されます。

対象となる費用は、「雇用創出措置に係る費用」です。

例えば、求人募集や採用、教育訓練に関する経費などを指します。

受給するためのポイント

助成金の支給を確実に受けるためのポイントを説明します。

①実行可能な計画を作成する

助成金を受け取るためには、最初に立てた計画を実行し、達成しなければなりません。

申請した計画書を後から変更することもできますが、変更届の提出が必要です。

一度労働局で認められた計画書から内容を変更する時には、計画通りにいかなかった理由や、次に立てた計画は確実に実行できるのかという点を追及されます。

また、何度も変更届を出すことはできません。

計画の段階で、無理なく実行できる内容であるかを見極めましょう。

スケジュールの把握・管理を徹底する

採用計画や、助成金申請書類などの提出期限は決められています。

計画に遅れが生じ、要件を達成できなかった場合はもちろん助成金を受給できません。

また、せっかく計画通りに実行していても、申請を忘れて期限が過ぎてしまったら、助成金を受け取ることはできません。

中途採用拡大コースの場合、中途採用拡大助成の申請を忘れることはほとんどありませんが、生産性向上助成の申請はおよそ3年度後のため、申請を忘れてしまうケースがあります。

計画通りに事業を行っていくだけでなく、支給申請を忘れることのないよう、スケジュールの把握・管理の徹底が求められます。

まとめ

今回は中途採用等支援助成金の3つのコースの内容や、それぞれの受給要件についてご紹介してきました。

中途採用等支援助成金の受給要件は、あまり厳しくありません。

事業内容や規模、経営状態などはほとんど問われませんので、多くの事業主が支給を受けることができるでしょう。

中途採用を行う予定の企業は、ぜひ活用することをおすすめします。


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【エビデンス】

*1厚生労働省「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
*2厚生労働省「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00002.html
*3地方創生「移住支援金」
https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html
*4厚生労働省「中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html


【著者】髙橋 めぐみ

求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。