転職回数が多いことを武器にする転職エージェントの使い方と考え方のコツ

「転職回数が多いから、転職活動は不利かもしれない——」

そんな風に悩んでいるのなら、もったいないことです。

なぜなら、近年では転職回数が多いことは必ずしもマイナス点にはならず、それどころか「経験豊富、柔軟性のある人材」として重宝されることさえあります。

しかし一方で、転職活動を有利に進めるためには、“押さえておきたいコツ”があることも事実。

本記事では、転職回数の多さを武器に変える、転職エージェントの活用方法や考え方のポイントをご紹介します。

「転職回数が多い」のは具体的に何回から?

まず「転職が多いとは、具体的に何回から?」という疑問から解明していきましょう。

データから見る転職回数

マイナビ「転職動向調査2021年版(2020年実績)」によれば、2020年の転職者のうち最も割合が多い転職回数は「1回(27.2%)」です。

ただし、当然ながら年代が上がるにつれて転職回数も増加していきます。以下は年代・性別ごとの転職回数を表したグラフです。

例えば、“男性20代”であれば4割以上が転職1回です。逆に、“女性50代で”あれば、5回以上の転職者が7割以上を占めています。

“自分の転職回数が多いかどうか”を判断するためには、自分の年代と照らし合わせてみると良いでしょう。

企業の人事担当者の意見

次に、企業の人事担当者は、転職回数が何回以上になると多いと感じるのでしょうか。

以下は、企業の人事担当者に「『転職回数が多い』と感じる回数は?」と質問したときの答えです。

 20代30代
GMOインターネット3回5回
日本マクドナルド3回3〜4回
(参考)筆者3回4回
参考)何回までOK? 転職回数が多くても「内定」を勝ち取る方法 | 転職ノウハウ | 転職・求人情報サイトのマイナビ転職

参考までに、企業の採用に関わってきた経験を持つ筆者の感覚値も、最下段に追記しました。

20代であれば3回以上、30代であれば4〜5回以上がひとつの目安といえます。

職務経歴書を見たときに、1〜2社分であれば何も思いませんが、3社、4社……と連なってくると、

「転職回数が多い」

という印象を受けます。

転職エージェントの事前フォローがあると企業は安心できる

では、もし自分が「転職回数が多い」と判断される立場にあったら、どんな風に転職活動を展開すべきでしょうか。

まず押さえておきたいのは、転職回数が多いのであれば「転職エージェントを最大限活用した方が有利」という点です。

事情さえ把握できれば転職回数は気にせず選考する企業が多い

企業の人事担当者が、転職回数の多い転職者に対して危惧するのは、「転職回数が多いという事実それ自体」ではありません。

人事担当者が気にしているのは、「転職回数が多いことから推察される懸念」です。

例えば、

・責任感がない
・飽きっぽい性格
・採用してもすぐ辞める可能性が高い
・忍耐力に欠ける

などの不安要素があると判断されれば、転職活動は難航します。

そこで、企業サイドの不安を解消するために活用したいのが、転職エージェントの存在です。

転職エージェントの事前フォローによって、転職回数の多さから推察される懸念が払拭されれば、転職回数は気にせずに選考する企業も多いためです。

やむを得ない理由で転職が多い人ほど転職エージェントを利用すべき

転職回数がかさんでいる人のなかには、やむを得ない理由があって、不本意ながらそうなってしまったケースも少なくありません。

例えば、家族の事情、自分の体調、激務すぎる環境——など、転職せざるを得ない状況が重なれば、転職回数が増えてしまうのも致し方ないといえます。

決して責任感がないわけでも飽きっぽいわけでもないのですが、転職回数だけで企業に判断されてしまえば、転職活動は行き詰まりがちです。

行き詰まった状況から妥協して転職先を決めてしまい、また短期間で辞めることになる——。

そんな悪循環に陥る人も珍しくありません。

悪循環を回避するためには、第三者の力を借りることです。

企業と自分との間に、第三者である転職エージェントに入ってもらい、人事担当者が抱く不安要素を払拭するサポートをしてもらいましょう。

最大のコツは転職回数が多いことを自分の弱点と捉えるのをやめること

転職エージェントのサポートを得つつ、面接では自分自身でも、しっかりアピールする必要があります。

筆者自身が転職者の面接を見てきた経験からポイントをひとつお伝えするなら、

「転職回数が多いことを、自分の弱点として捉えるのをやめること」

です。

応募者の「負い目」は面接官に敏感に伝わる

多くの人は、面接対策の書籍やWeb記事を読み、面接の受け答えの練習をすることと思います。

もちろん、それも大切なことです。しかし実際に発せられる“言葉”以上に、面接官の印象に影響を与えるものがあります。

それは、言葉以外のノンバーバル・コミュニケーション(表情、話し方、しぐさなど)です。

自分の転職回数について、どれだけ完璧な言葉を操って話していても、そこに「負い目」が見えれば、印象は良くありません。

転職回数が多い自分の人生を認めて好きになろう

そこでご提案したいのは、転職回数が多い自分の人生を100%認めて、好きになってしまうことです。

筆者が接してきた転職者のなかで、多くの転職回数を持ちながら成功している人たちには、こんな共通項があります。

・多数の転職回数が自分に何を与えてくれたのか、はっきり理解している
・「今どき、転職回数が多くて何が悪いんですか?」と良い意味で開き直っている
・転職回数の多さを引け目に感じる発想自体を持たないタフさがある

端的にいえば、「転職回数は多くてOK」と自分で自分にOKを出せている人は、他人からもOKをもらいやすくなるといえます。

その理由として、ノンバーバル・コミュニケーションに、自信や心の安定感、偽りのなさがにじみ出ることが挙げられるでしょう。

面接官の目には、好印象の魅力的な人物に映ります。こうなれば、転職回数など些末なことです。

たくさんの転職を繰り返しながら、ここまで歩いてきた自分自身を認め、OKを出しましょう。

いろいろな事情がありながら、まっすぐ懸命にやってきたのです。何も恥じることなんてありません。

ちょっぴり図々しいくらいの度胸を持って、堂々と転職活動に取り組んでいきましょう。

さいごに

筆者自身は、転職を重ねていく人生ではなく、ダブルワーク・トリプルワークを経て独立する人生を選んだので、転職経験は多くありません。

そんな筆者に、1〜2年ごとに転職してキャリアアップを重ねている友人が、

「転職のメリットは、転職するたびに友だちが増えること。だからやめられない」

と教えてくれました。

それくらいあっけらかんとしているからこそ、転職回数がネックになるどころか、強力な武器にさえなり、パワーアップし続けているのだと感じます。

転職回数をプラスにするか、マイナスにするかは自分次第。前向きな気持ちを持って、転職活動に取り組んでいきましょう。


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【著者】三島 つむぎ
ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。