キャリア相談は誰にする?厚生労働省の資料をもとに効果と注意点を考えてみよう

「今の仕事は自分に向いているのだろうか」
「このままでいいのかと仕事への不安を感じる」

このような将来への不安を感じている人もいるでしょう。
マイナビニュースが「キャリア」についてアンケートを実施したところ、約8割が「自分の将来に不安を感じている」と回答しています。*1

仕事やキャリアに悩んだときは、一人で抱え込まず、キャリアコンサルタントなどの専門家に相談するのがおすすめです。

家族や友人、社内の上司・同僚には打ち明けられない悩みも、専門家になら素直に相談できるでしょう。

今回はそんなキャリア相談の詳細や相談するメリット、キャリア相談するときの注意点についてお伝えします。

キャリア相談とは

キャリア相談とは、キャリア形成を支援することを目的としたカウンセリングのことです。

キャリアコンサルティングやキャリアカウンセリングとも呼ばれ、カウンセラーが相談者の話を聞き、内容に応じて適切な助言を行っていきます。

そもそも「キャリア」とは「過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの」であり、「職業生涯」や「職務経歴」などとも訳されます。*2

そしてこのようなキャリアの概念を前提として、個人が職業能力を作り上げていくことが「キャリア形成」です。

厚生労働省も、個人のキャリア支援をするためには、専門的なキャリアコンサルティングが必要であると考えており、キャリアコンサルタントの育成やキャリアコンサルティングを受けられる環境の整備を推進しています。*3*4

キャリア相談ができる場所

企業内、行政機関、就労支援センター、人材紹介会社など、キャリア相談を実施している機関は多岐にわたります。

キャリア相談の制度がある企業は、大企業で5~6割、中小企業で2~3割です。*5
職場の人間関係や、現在の仕事・職務の内容などを相談する人が多いようです。

また行政機関が行っている例としては、厚生労働省が運営している「キャリア形成サポートセンター」や、ハローワーク、各自治体が運営する「就労支援センター」などが挙げられます。

民間企業でも無料でキャリア相談を行っているところがあります。
例えば、人材紹介会社では、キャリアアドバイザーによる相談を無料で行っているところが多いようです。

ただし公共機関でも民間企業でも、キャリア相談を利用できる年齢や条件に縛りがある場合や、無料で相談できる回数に制限を設けている場合があります。

キャリア相談に申込む際は、それぞれの機関の特徴や年齢制限などの条件を確認し、自分が必要とする支援を受けられるかを事前に確かめるようにしましょう。

相談できること

キャリア相談では、現在の仕事に対する悩みや将来への不安など、さまざまな事柄に対応しています。

厚生労働省が行っている「キャリア形成サポートセンター」では、下記の悩みを持つ人の相談を受けているようです。*6

・今後のキャリアについて何となく不安がある
・今の職場でのやりがいや目標を整理したい
・仕事とプライベートのバランスに悩んでいる
・スキルアップ・キャリアアップしたい
・定年を見据えた働き方を相談したい

また人材紹介会社に相談すれば、自分の市場価値を知ったり、具体的な転職先の相談をしたりすることもできます。

キャリア相談で期待できる効果

キャリア相談をすることで、仕事に対する意欲が高まったり、キャリアプランを明確にできたりと、さまざまな効果が期待できます。

仕事に対する意識が高まる

キャリア相談を受けることで、自分にはどんな仕事に適性があるのか、伸ばすべきスキルは何なのかが分かります。

自分の目標がはっきりすると同時に、仕事に対する意識が高まるでしょう。

また客観的な指摘を受けることで、自分の現状を見つめ直し、今まで気がつかなかった課題も明確になり、仕事に対しての理解も深まります。

目指すべきキャリアが明確になる

これまでの経験や、仕事におけるさまざまな悩みや不安を言葉にすることで、自分のキャリアの棚卸しができたり、仕事に対する価値観を整理したりできます。

転職すべきかを迷っている段階であれば、今抱えている不安や不満を解消するためにはどうしたら良いのか、自身の希望や理想は実現できるものなのかなども相談できます。

今後の方向性を決定し、目標を立てることで、目指すべきキャリアが明確になるでしょう。

自己啓発を行うきっかけになる

キャリア相談で、今までの自分を振り返ることで、自己啓発のきっかけになります。

自分に足りないものは何か、どんなスキルを身につけるべきかが分かるようになり、学習意欲や成長意欲が高まるでしょう。

キャリア相談の注意点

キャリア相談を受けるときの注意点をお伝えします。

・正直な気持ちを話す
・相談内容は決めておく
・相性が悪い場合は変更してもらう

正直な気持ちを話す

キャリア相談では、正直な気持ちを話すようにしましょう。
カウンセラーが相談者に合ったアドバイスをするためには、今の状況を適切に把握することが必要です。

企業の制度を利用してキャリア相談を受けた場合でも、話した内容が上司などに伝わることはありません。
企業に情報を伝える場合は、事前に本人の了承を取るはずですので安心してください。

キャリア相談は評価される場ではありません。
自分を飾ろうとせず、気兼ねなく相談しましょう。

相談内容は決めておく

キャリア相談では、仕事に関する悩みや将来の不安など、何でも相談することができます。
しかし1回につき60分程度と、相談できる時間が決められています。

そのため、相談内容はあらかじめ絞っておき、話す内容はある程度決めておきましょう。

相談内容を決めておくことで、自分の知りたかった情報や解決策を、短い時間の中でも見つけることができるはずです。

相性が悪い場合は変更してもらう

カウンセラーやキャリアアドバイザーとの相性が合わない場合もあります。

「自分のことを理解してもらえない」「相性が悪い」などと感じたら、変更をお願いしてみましょう。

変更が難しい場合は、他のサービスを利用するのも1つの方法です。

迷ったら人材紹介会社に相談

「勤めている企業にキャリア相談の制度がない」
「転職を検討していることを身近な人にバレたくない」
「どこに相談すれば良いのか分からない」

という場合は、人材紹介会社に相談してみましょう。

人材紹介会社のキャリア相談は、求人を紹介してくれるだけだと思われがちですが、実際はキャリア全般の悩みについて、幅広く相談に応じています。

キャリアの棚卸しをサポートして、相談者の強みや適性を整理したり、今後のキャリアプランを明確にしたり、目標を実現するために必要な情報を提供したりと、さまざまな形でサポートをしてくれるはずです。

また転職をするかどうか以前に、「今の仕事を続けるべきか悩んでいる」といった将来への悩みや不安を相談することも可能です。

まとめ

キャリア相談は、さまざまなところで行われており、無料で相談できるところも多いものです。

キャリアや仕事、転職活動についての悩みを相談することで、今の自分に必要なものが何かが分かるようになりますよ。

一人で悩む前に、キャリアの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。


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【エビデンス】
*1 マイナビニュース「このままでいい? 仕事や働き方に迷いを感じたらキャリア相談してみませんか?
*2 厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント
*3 厚生労働省「「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について
*4 厚生労働省「キャリア形成支援
*5 厚生労働省「キャリアコンサルティングの現状と課題」P3
*6 厚生労働省「キャリア形成サポートセンター


【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供するプライム市場上場企業(元東証1部)に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。