転職活動で企業から内定をもらった後に待っているのが、内定者面談です。
オファー面談や、処遇面談、条件面談ともいわれます。
「せっかく内定を貰ったのに、まだ試されるのか」
「面談で落ちたらどうしよう」
と不安を感じている内定者もいるでしょう。
しかし内定者面談は、選考ではありません。
入社の意思確認や、労働条件に関する疑問を解消するために設けられているものです。
「入社したら求人と業務内容が違っていた」などのトラブルを避けるためにも、内定者面談で確認すべき事項を理解しておきましょう。
交渉次第ではあなたが求める労働条件に近づけることも可能です。
今回は、内定者面談について詳しく説明していきます。
内定者面談の準備の参考にしてください。
内定者面談の内容
内定者面談は、企業が最終面接に合格した内定者に対して行う面談のことです。
労働条件や業務内容を確認した上で、入社の合意を図ることを目的としています。
内定者面談は、必ず行われるものではありません。
労働条件通知書の通知だけして、内定者面談を行わない企業もあります。
企業によっては、「内定者からの希望があれば行う」としているところもあります。
確認の場や、交渉の場がほしい時には、面談を希望する旨を企業に伝えましょう。
内定者面談で話し合う内容は、大きく分けると3つです。
・労働条件のすり合わせ
・業務内容・配属部署の確認
・入社の合意
具体的に見てみましょう。
労働条件のすり合わせ
内定者面談では、人事担当者などから労働条件の説明があります。
労働条件通知書を確認しながら行われることが多いでしょう。
労働条件通知書に記載されている基本項目・契約期間
・就業場所
・業務内容
・始業・就業時刻/休憩時間
・休日
・休暇
・基本賃金/計算方法
・退職に関する事項
・社会保険の加入状況
(参考)厚生労働省「一般労働者用モデル労働条件通知書(常用、有期雇用型)」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/youshiki_01a.pdf
説明の中で疑問や不安な点があれば、遠慮せずに質問して解決するようにしましょう。
例えば、賃金が年収額しか説明されなかった場合は、賞与や残業手当、交通費などに関しても確認しておくと安心です。
また「入社後にどうすれば給与が上がっていくのか」など、人事制度・評価制度の仕組みや、それに伴う給与体系などについても、人事担当者に確認していきましょう。
「入社したら、想像と違っていた」とならないように、事前に確認するようにしてください。
業務内容・配属部署の確認
企業によっては、人事担当者からの説明の後に、配属予定の部署の社員が業務内容に関する具体的な説明をしてくれる場合があります。
現場の雰囲気をもっと知りたい場合は、オフィスの見学や、一緒に働く予定のメンバーにも挨拶をさせてもらえないか相談してみましょう。
お互いにミスマッチを防ぐことが内定者面談の目的です。
内定者の希望を聞き受けてくれる可能性が高いでしょう。
入社の合意
最後に、入社に向けた具体的な話し合いも行います。
入社する意思があるかの確認や、他社の選考状況について質問されることがあります。
他にも内定企業がある場合や、応募中の企業がある場合、隠す必要はありません。
あなたを獲得するために、企業が条件の調整を行ってくる可能性もあります。
また入社する意思があれば、入社希望日などを確認されます。
在職中の場合は、退職の時期を考慮して入社日を調整するようにしましょう。
事前に自分の希望を整理しておくことが必要です。
面談で確認すべきポイント
労働条件通知書だけでは、分かりにくい箇所も多くあるはずです。
内定者面談では1つ1つ疑問を解消していかなければなりません。
入社後に後悔しないためにも、確認すべきポイントをお伝えします。
・賃金と評価制度
・実際の業務内容
・福利厚生と社内制度
賃金と評価制度
賃金と評価制度は必ず確認しなければなりません。
まず、提示された年収が希望通りの金額であるかを確認しましょう。
その金額には、固定残業代や賞与が含まれているのかどうかも重要なポイントです。
そして、今後の昇給方法や評価制度も確認してください。
確認をしないまま入社すると「活躍して給与を上げていこう」と思っていたのに、「もう年収が上がる余地はほとんどなかった」「自分の頑張りが、企業が求めるものと違った」といったことが起こる可能性があります。
実際の業務内容
詳細な業務内容については、内定者面談で説明される場合も多いものです。
自分の希望と合っているか、しっかりと確認するようにしましょう。
例えば、同じ「営業職」でも、新規開拓がメインなのか、既存のお客さまがメインなのかで求められるスキルは異なります。
さらに営業の仕方も、実際に訪問して商談をするのか、テレビ電話で商談を行うのかなどでも、働き方は大きく異なってきます。
文面からでは分からない、実際の仕事内容を確認する必要があります。
福利厚生と社内制度
福利厚生はその企業に勤める社員の特権です。
企業によって異なりますので、どんな制度が利用できるのか確認しておきましょう。
また、出産・育児休暇などの特別休暇制度は、配属先の取得率を聞いておくことをおすすめします。
「入社してみたら、利用できる雰囲気ではなかった」となることを避けることができます。
他にも、部活動の活動状況や、キャリア研修の有無、表彰制度などの社内制度についても質問しておくと、働くモチベーションに繋がります。
交渉を成功させるコツ
どうしても譲れない条件がある場合や、選考時に聞いていた内容と異なる場合には、
内定者面談が交渉する最後のチャンスです。
交渉によっては、希望に沿った条件での雇用を検討してくれる可能性があります。
しかし、労働条件の変更をお願いをすると、「企業側に悪い印象を与えないか」「内定が取り消しになるのではないか」と不安を感じるかもしれません。
ここでは、相手に悪い印象を与えずに希望条件を交渉するポイントについて解説します。
優先順位をつけておく
内定を貰っている状態でも、全ての希望を通そうとすることはおすすめできません。
自分が譲れない条件を整理し、優先順位の高いものから交渉するようにしましょう。
入社前から要望が多いと、あなたの印象が悪くなってしまう恐れがあります。
自分が重視する条件を、面談前に整理しておきましょう。
根拠を元に自分が求めている労働条件を伝える
交渉を行う際は、誰もが納得できるように根拠を示して話す必要があります。
そして、相手の話を冷静に聞きながら、謙虚な姿勢で話し合ってください。
<例>給与が面接時に伝えていた希望金額よりも少ない場合
私の経験や、能力考慮した上での金額提示であることは承知しております。
しかしながら、現職以上の給与を希望することは面接時にもお伝えしておりました。
改めて、給与の見直しをしていただけないでしょうか。
最終回答は後日に行う
納得のゆく形で内定者面談が進むと、最終回答をその場で行ってしまう人もいます。
しかし、最終回答は後日にするのが一般的です。
書類への署名を含め「○日までにご返事させていただきます」と伝えましょう。
緊張している状況では、見落としている箇所があるかもしれません。
リラックスした状態で企業の提示する条件を全て確認しましょう。
自分一人で、冷静に考える機会を持つことが大切です。
まとめ
内定者面談は、入社前に個人と企業が対等な立場で話せる機会です。
労働条件や、業務内容などに不安な点が残らないようにしましょう。
そして、思っていた内容と違う条件を提示された場合や、条件を上げたい場合は、
優先順位をつけた上で、根拠を元に交渉をしてください。
企業の事情も考慮し、誠実な対応をすることが交渉する時のポイントです。
謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。
無理に好条件を引き出そうとしても良いことはありません。
いい意味で妥協しながら、上手に交渉して、転職を成功させましょう。
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【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。