履歴書に書ける資格はどこから?書き方や順番を含めて一覧で解説!

いざ、履歴書に書くとなると、どのような資格を書けばよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。

ここでは、履歴書に書くべき資格について詳しく解説をしていきます。

資格は自分のスキルや知識を証明するものであり、就活や転職する際に履歴書に書くものです。

ただ、どんな資格でもOKというわけではありません。資格によっては、書くことでかえってマイナスになってしまうこともあるのです。

今回は、資格を履歴書に書く方法について詳しくご紹介していきます。少しでも面接官の心証をよくしたいとお考えの方はぜひ、この記事を参考にしてください。

履歴書に書くべき資格

いざ、履歴書に書くとなると、どのような資格を書けばよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。

ここでは、履歴書に書くべき資格について詳しく解説をしていきます。

書くべき資格は応募先が求めるスキルに関係するもの

結論から申し上げますと履歴書に書くべき資格は、「応募先が求めるスキル」に関係するものにしましょう。

履歴書は企業の採用担当者が、応募者のスキルや能力を確認して次の審査に進めるために判断する材料です。

したがって、応募先の業種に合った資格を持っていると有利になります。*1

様々な資格を持っている場合には、応募先のニーズに合った資格を優先的に書くようにしましょう。*2

趣味など仕事に関係ない資格は自己PRに活用

応募先の仕事に関係がない資格の場合は、自己PRに活用するのもよい方法です。

例えば「スイーツコンシェルジュの資格を持っているので、お菓子づくりが大好きです」など、他の人とは違う意外な一面をアピールできます。

なお、趣味の資格を書く際には履歴書の「資格・特技」欄に、アピール文と共に書くのもおすすめです。*3

評価されないレベルの資格は書かない方がよい

履歴書に書く資格のレベルにも注意が必要です。

学力や語学、スキルのレベルが決して高いと言えない場合はPRになりません。むしろ、評価が下がってしまう可能性も考えられるのです。

例えば「英検3級」は中学レベルの英語力しか持っていないと、みなされてしまいます。*4

企業が新入社員に期待する語学力として「TOEIC L&Rスコア」が用いられていますが、平均は535点、人気業界では600点以上が歓迎されています。*5

このように、能力がはっきりと分かってしまう資格や検定の場合は、評価されるレベルに到達してから書いた方が無難です。

履歴書に書くと有利な資格

履歴書に書けるレベルの資格とは、すなわち転職や就職に有利な資格のことです。

ここでは「履歴書に書くと有利な資格」について詳しく解説をしていきます。

履歴書に書くと有利な資格

履歴書に書くと有利な資格は下図1の通りです。

語学力では、世界共通の英語検定である「TOEIC(R)L&Rテスト」のスコアが高いほど有利になります。

不動産業界では「宅地建物取引士」を保有していると、不動産業務に関する独占業務ができるようになります。

【履歴書に書くと有利な資格】

資格名特徴有利な業界
TOEIC(R)L&Rテスト *6英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通の英語検定商社・銀行・メーカー
ファイナンシャルプランナー(FP) *7金融、不動産、住宅ローン、税制、保険、年金、相続など広範囲な知識を取得保険会社・金融機関・一般企業全般
宅地建物取引士(宅建)*8重要事項の説明、重要事項説明書への記名押印及び同第37条に定める書面(契約書等)への記名押印などの独占業務が行える不動産
社会保険労務士 *9企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲一般企業全般
簿記 *102級は経営管理に役立つ知識として企業から最も求められる資格の一つ一般企業全般
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)*11世界基準のMicrosoft Office製品の操作スキルを証明できる国際資格一般企業全般
ケアマネジャー *12要介護者や要支援者が自立した日常生活を営むための援助を行う介護・医療
建築士 *13国土交通大臣の免許を受け、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う建設
情報処理安全確保士 *14ITの安全・安心を支えるセキュリティの番人情報IT・一般企業全般
中小企業診断士 *15中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家一般企業全般
図1 参考)*6~*15を参考に筆者作成

業種別の必要な能力

下図2は、業種別の必要な能力を表したグラフです。

ITでは「コンピュータスキル」、医療では「健康・医療・ケアの知識・経験」、建設では「建築・土木の知識・経験」などが突出しています。

それぞれの分野で必要とされる専門的なスキルが表されているのが特徴です。

履歴書に書く際は、自分が応募する業界が必要としているスキルに関連した資格を書くようにしましょう。

図2 引用)独立行政法人労働政策研究・研修機構 「第6章 必要な能力等とその変化 」P140 https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2014/documents/0135_06.pdf

資格の書き方での注意したいポイント

履歴書は、応募先の企業に提出する「応募書類」として非常に重要な書類です。資格を書く際に注意したいポイントについてご紹介をしていきます。

正式名称で書く

免許や資格は「○○免許 取得」、「○○検定 合格」のように記載することが基本です。(下図3)
資格の名前は省略したものではなく正式名称で書くようにします。(例:宅建はNG、宅地建物取引士と書く)
TOEICはスコア、簿記など検定試験はレベルも書くようにしましょう。*16

【免許・資格の正しい記入例】
自動車免許:普通自動車第一種運転免許(AT限定)
英検:実用英語技能検定○級
漢検:日本漢字能力検定○級
日商簿記:日商簿記検定試験○級、日本商工会議所簿記検定試験○級
FP:○級ファイナンシャル・プランニング技能士

厚生労働省が推奨している正しい記載の仕方は下図3の通りです。履歴書に資格や免許を書く際は、こちらを参考にして書いてください。

図3 引用)厚生労働省「応募書類の作り方」P12
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/202106181412.pdf

応募先企業に対するアピール力の高い順から記載

記載する順番は古い順に記載する方法もありますが、応募先企業に対するアピール力の高い資格から書くのもおすすめです。

失効したものや勉強中のもの、1次試験は合格、2次試験待機中など保有していない資格でも、意欲や能力をアピールできる場合もあります。*17

応募先企業で活用できる技能を持っている場合は付記する

免許や資格ではありませんが、応募先企業で活用できる技能や技術を持っている場合は、積極的に書いてみましょう。

例えば「パソコンはWordやExcel、PowerPointを実務で操作可能」、「会計ソフト○○○を操作可能(経験○年)」など付記するとスキルをアピールできます。

職業訓練以外で、パソコンなど各種スクールへの入校、通信教育、セミナーへの参加など、ビジネス関連のスキルアップに努めた方は経歴を記載するのも効果的です。*18

まとめ

今回は、履歴書に書くべき資格と書かなくてもいい資格との見極め方、記載する際の注意点などについて詳しく解説をしていきました。

様々な資格を持っていることは素晴らしいことですが、履歴書に書く資格の場合は応募先企業のニーズに合ったものでなければ意味がありません。

ただ、ビジネスに関係のない資格でも、自分のパーソナリティや特質をわかりやすく伝えるツールとして利用するのはよい方法です。

応募先の企業の特色やニーズに合わせて、資格を有効に活用してください。


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【エビデンス】

*1 参考)厚生労働省「履歴書と職務経歴書の違いとは?」
https://jobcard.mhlw.go.jp/column/employed/cv-resume.html
*2 参考)厚生労働省「応募書類の作り方」P6
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/201912251402.pdf
*3参考)東洋経済オンライン「就活に資格を役立たせたい人に教えたいコツ」
https://toyokeizai.net/articles/-/235295
*4 参考)マイナビ「履歴書の書き方マニュアル」
https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/knowhow/article/how-to-make-a-resume.html
*5 参考)TOEIC「コミュニケーションスキルもアピールしよう」
https://www.iibc-global.org/toeic/special/job/c3.html
*6 参考)(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Listening & Reading Testとは」https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about.html
*7 参考)日本FP協会「FPの活躍フィールド」
https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/field/ 
*8 参考)一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
https://www.retio.or.jp/exam/exam_detail.html
*9 参考)全国社会保険労務士連合会「社労士とは」
https://www.shakaihokenroumushi.jp/about/tabid/203/Default.aspx
*10 参考)日本商工会議所「各級のレベル」
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
*11 参考)マイクロソフト「MOSが就職後に活きる理由(わけ)」 
https://mos.odyssey-com.co.jp/benefits/reason1.html
*12 参考)公益財団法人 東京都福祉保健財団「介護支援専門員(ケアマネジャー)について」https://www.fukushizaidan.jp/101caremanager/about/
*13 参考)国土交通省「一級建築士について」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/architect.html
*14 参考)情報処理推進機構「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験」
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
*15 参考)一般社団法人 中小企業診断協会「中小企業診断士ってなに?」
https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/001_what_shindanshi.html
*16 参考)厚生労働省「応募書類の作り方」P12
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/201912251402.pdf
17・18 参考)厚生労働省「応募書類の作り方⑧免許・資格」P6
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/201912251402.pdf


【著者】矢口ミカ
プロフィール:ライター・宅地建物取引士。不動産・リフォーム・不動産投資・転職・整理収納関連の記事を複数のメディアで執筆中です。主人が経営している不動産会社で所有する投資用不動産の入居者管理もしています。宅建の他に住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。