
働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大防止対策をきっかけに、働き方の多様化が加速し、テレワークやフレックスタイム制などを取り入れる企業が増えてきました。
働き方が選択しやすくなった一方で、外出自粛による運動不足や対面でのコミュニケーション自粛による孤独感の高まりなどから、身体面や精神面での不調を訴える人が増えています。*1
そこで今回は、多様な働き方の代表格である「テレワーク」と「ストレスマネジメント」についてみていきましょう。
働き方を考える上での参考にして下さい。
テレワークとストレスの要因
テレワークは、時間や場所を有効に活用できる働き方であり、職場環境や業務内容、私生活にも様々な変化とメリットをもたらしました。
しかし、テレワークにストレスを感じている人も多いようです。
2020年から2021年の間に「ストレスを感じている」「どちらかといえば、ストレスを感じている」と回答した人の割合は、男性は5%程度、女性は10%程度増加しています。*2
さらにそのストレスの要因を確認すると、「仕事とプライベートの区別ができない」と「上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい」が非常に多いことが分かります。

仕事とプライベートの区別ができない
ストレスを感じる理由としては「仕事とプライベートの区別ができない」という回答が最も多く、男性が61.1%、女性が60.3%です。
出社するオフィスワークと違い、テレワークは家で仕事ができるため、朝起きてすぐに仕事をしたり、終業後も仕事を続けたりと、始業時間・終業時間が曖昧になりやすくなります。
また、「終業時間後も仕事が気になってしまう」「仕事中に家族が声をかけてくる」「オフの時間に仕事の連絡が来る」などと、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまうケースも考えられます。
上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい
2番目に「上司、同僚とのコミュニケーションが取りづらい」が、男性40.2%、女性41.6%となりました。
出社するオフィスワークでは、社内で気軽に雑談などを行う機会もありますが、テレワークではその機会がありません。
上司や同僚との、何気ない会話や相談がしづらくなり、悩みを抱え込んだり、コミュニケーション不足による孤独感・孤立感を感じたりしてしまうことがあります。
企業が取り組むべきストレスマネジメント
ストレスマネジメントとは、「身体や心に悪影響を起こすストレスに対し、どのように対処し、どのように付き合っていくかを考えること」です。*3
ストレスがかかったときの対処法を考えたり、ストレスに対する認知の変容を中心に指導をするなどしていきます。
テレワークの促進とともに、企業が取り組むべきストレスマネジメントには、以下のような内容が考えられるでしょう。
・ストレス状態の把握
・メンタルヘルスケアの教育研修
・相談しやすい窓口の整備
・コミュニケーション不足の防止
・早期発見に向けた取り組みの整備
ストレス状態の把握
従業員の意見を聞いたり、ストレスチェックを利用するなどしながら、ストレス状態を把握することが重要です。
ストレスチェックとは、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査で、2015年12月から従業員が50人以上いる事業所では年に1回実施することが義務付けられています。*4
ストレスチェックの結果は、本人の同意を得ずに企業側に公開されることはありませんが、ストレスチェックの実施者に、所属している部や課、グループごとに集計・分析してもらうことが可能です。
テレワーク導入前後の集団分析結果の推移を見るなどして、テレワークに伴う問題が生じていないかを把握し、職場環境改善に役立てましょう。
メンタルヘルスケアの教育研修
全ての従業員に対し、それぞれの職務に応じたメンタルヘルスケアの教育研修を行いましょう。
管理職がメンタルヘルスケアについて学べば、部下のストレス状態にいち早く気づくことができ、早期発見やケアにつなげることができます。
またセルフケアについて学べば、自分のストレス状態を把握でき、早い段階で対処できるようになります。
相談しやすい窓口の整備
心身の健康について相談しやすい窓口の整備が必要です。
企業によっては、産業医や保健師にメールやチャット、電話での相談ができるサービスを導入することで、テレワーク下でも利用しやすい相談窓口を確保している事例があります。*5
産業医や保健師に直接相談できる窓口があれば、上司には相談しにくいことでも、一人で抱え込まず、速やかに解決への糸口が見つかるでしょう。
コミュニケーション不足の防止
テレワークでは、従業員間のコミュニケーション不足により孤立感・孤独感を招くなど、出勤して業務を行っていたときとは異なるストレス要因に直面する可能性があります。
コミュニケーション不足を防止するために、雑談チャットをつくったり、オンライン会議の前後に短い雑談タイムを設けたりと、仕事内容以外での会話の機会をつくるなどの工夫が必要です。
早期発見に向けた取り組みの整備
従業員の不調の兆しを早期発見するために、取り組みの整備も行いましょう。
企業の中には、次のような取り組みを通じて、従業員の状況や不調の兆しの早期発見に努めている事例があります。*5
<例>
- 上司・従業員のオンライン面談の定例化
- 業務日誌の作成・提出
- 簡易なアンケート調査の定期的な実施
- 産業保健スタッフによる全従業員面談やチャットでの状況確認 等
さらに、従業員の家族による気づきや支援を得るために、家族に理解・協力を呼びかけることも有用です。
ストレスマネジメントのメリット
企業がストレスマネジメントを行ったときに期待できるメリットとして、以下のような効果が期待できるでしょう。
・従業員の生産性を高める
・ハラスメント防止につながる
従業員の生産性を高める
ストレスマネジメントは、従業員の生産性を高めるメリットがあります。
ストレスマネジメントを行うことで、従業員の悩みを解消したり、ストレスを軽減したりできれば、業務効率の改善や従業員のパフォーマンス向上につながります。
逆に過度にストレスを抱えた状態になってしまうと、休職や退職をする従業員も出てきてしまうでしょう。
ハラスメント防止につながる
メンタルヘルスケアの教育研修などを受けることで、従業員のストレスについての理解が進みます。
その結果、どういった言葉や行動がパワハラやセクハラにつながるのかを理解し、ハラスメントの防止になるでしょう。
さらに部下の体調管理や、相談がしやすい関係性づくりにも役立ちます。
まとめ
テレワークを促進することは、企業と従業員の両者に多くのメリットがあります。
しかし、テレワークによる健康面や精神面での不調を抱えている人も少なくありません。
企業はテレワークを導入し運用するだけでなく、誰もが気持ちよく働ける環境をつくるために、ストレスマネジメントも取り入れていくことが必要です。
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<エビデンス>
*1 CANVAS「コロナ禍で激変する働き方、「テレワーク」は体調不良の日の選択肢の一つに!? 」
*2 TECH+「コロナ禍後もテレワークを望む人9割超、一方で長時間労働にストレスの声も」
*3 e-ヘルスネット「ストレスマネジメント」
*4 厚生労働省「ストレ スチェック制度導入マニュアル」P1
*5 厚生労働省「テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き」P7、P9

【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供するプライム市場上場企業(元 東証1部)に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。