HSPってなに?繊細さんの仕事選びのポイントと避けるべき仕事

「色々なことが気になって落ち着かない」「人よりもストレスや疲れを感じやすい」「仕事が長く続かない」などと悩んではいませんか?

それはあなたが「HSP」だからかもしれません。

HSPは感受性が非常に高く、周囲の環境からの影響を受けやすい過敏な人のことです。*1

この記事ではHSPの特性や仕事選びのポイント、HSPの人が避けるべき仕事についてお伝えしていきます。

HSPとは

HSPは日本人の5人に1人が該当すると言われ、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんや、元でんぱ組.incの最上もがさんなどの有名人も自らがHSPであると公表しています。*2

あなたや身近な人がHSPという可能性は決して低くありません。

それではHSPの特徴や特性について確認していきましょう。

HSPの特徴の具体例

HSPは、「Highly Sensitive Person」の頭文字をとった略語で、視覚や聴覚などが極端に敏感だったり、人の気持ちを察しすぎたりして、ストレスを感じやすい性質の人を指し、「繊細さん」とも呼ばれています。*3

具体的には、下記のような特徴があります。

・相手がどういう気分なのか気になって仕方がない
・体を触られるのが苦手
・ちょっとしたことにも、すごくびっくりする
・明るい光や交通音、時計の針の音が気になって眠れないことが多い
・想像力が豊かで、空想にふけることが多いと思う
・美術や音楽が好きで、人より感動する
・短い時間に多くのことを同時にするのは苦手
・生活に変化があると混乱し、落ち着くまで時間がかかる
・子どもの頃に、親や教師から「内気」「神経質」と言われていた

(引用)読売新聞オンライン「もしかして私も「繊細さん」?ロンブーも公表したHSP

当てはまる特徴が少なくても、その度合いが極端に強い場合には、HSPの気質があると考えられます。

また、すべての人が同じような反応を示すわけではありません。

HSPの4つの特性

心理学者のエレイン・N・アーロン博士は、HSPをその特性によって4タイプに分類しました。

それぞれの頭文字をとって「DOES(ダズ)」と呼ばれています。*1

1.Depth of processing(処理の深さ)
2.Overstimulated(神経の高ぶりやすさ、刺激の受けやすさ)
3.Emotional reactivity and high Empathy(感情への反応が強く、とくに共感力が高い)
4.Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知する)

1つずつ説明していきます。

Depth of processing(処理の深さ)

HSPの人は情報の処理が深く、同じものを見てもそこから処理する情報量が多いと言われており、「1つ聞いたら10を考える」傾向があります。

そのため、物事を始めるときには様々なことを考え過ぎてしまい、実行に移すまでに時間がかかってしまいます。

しかし言い換えれば、「物事を深く考えられる」という特性でもあります。

Overstimulated(神経の高ぶりやすさ、刺激の受けやすさ)

HSPの人は、暑さや寒さ、音や光など五感で感じられる刺激に敏感です。

また周りの人の言動や気分に対しても敏感で、些細な言動で傷つくこともあります。

普段の生活の中でも小さな刺激に反応するので、疲れやすい傾向にあります。

Emotional reactivity and high Empathy(感情への反応が強く、とくに共感力が高い)

共感力が高く、つらい思いをしている人の気持ちが手に取るように分かります。

その度合いを「心の境界線が薄い」と表現する心理学者もいるほどです。*4

この特性のせいで自分の考えが他人の感情に左右されたり、自分とは全く関係のないことや悲しいニュースでも傷ついたりしてしまうことがあります。

Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知する)

照明の明るさや空調による気温の変化、冷蔵庫や時計の音、人の体臭や口臭、たばこの臭いなどあらゆる刺激に敏感です。

日常生活でもほんの些細なことが気になってしまい、集中すべきところで集中できないといったこともあります。

HSPの仕事選びのポイント

このような状況が続き、仕事が長続きせず悩んでいる人も多いと思います。

もしかしたら、自分に合っていない仕事ばかり選んでいたのかもしれません。

ここでは、HSPの人の仕事選びのポイントを紹介します。

・HSPの特性を活かせる仕事を選ぶ
・興味が持てる仕事を選ぶ
・自分のペースに合う仕事を選ぶ
・人との接点が少ない仕事を選ぶ

HSPの特性を活かせる仕事を選ぶ

HSPの人は心身ともに疲れやすいので、HSPをデメリットに感じるかもしれません。

しかしHSPの特性をポジティブに捉え、自分の長所として考えてみましょう。

<例>

  • 様々なことを考え過ぎてしまう→物事を深く考えられる
  • 1つ聞いたら10を考えてしまう→多面的に物事を見られる
  • 共感力が高い→相手の立場で考えられる
  • 些細な刺激を察知する→全体思考ができる

強みを活かせる仕事を選ぶことで、自分らしく働けるようになるでしょう。

興味が持てる仕事を選ぶ

仕事選びで「自分が興味を持てるかどうか」はとても大切なポイントです。

HSPの人はこれまでの失敗の経験などから「苦手を避けた仕事」「ストレスや人間関係が楽な仕事」を選びがちです。

しかしHSPの人は、一度考え出すと考えが止まらなくなってしまう性質があります。

「この仕事は何の意味があるのだろう」という違和感や疑問を無視することはできません。

しかし興味が持てる仕事であれば、物事を深く考える特性がプラスに作用して、作業効率を追及したり、自ずとスキルや知識などの勉強を行ったりして、会社で活躍することができるでしょう。

自分のペースに合う仕事を選ぶ

誰にでも、自分にフィットする時間の流れがあります。

HSPの人は丁寧にじっくり取り組む傾向にあるため、忙しすぎる環境や「雑でもいいから早くやって」という価値観の職場では大変な思いをしやすくなります。*5

自分のペースに合う仕事、職場を探してみましょう。

周りのペースに影響されないフリーランスを検討してみるのもおすすめです。

人との接点が少ない仕事を選ぶ

人との接点が少なく、黙々と取り組める仕事を選ぶのも重要なポイントです。

HSPの人は、人との接点が多ければ多いほどストレスの原因となります。

共感力が高い人は「怒られている人に共感し気分が下がる」、周りの刺激に敏感な人は「人の匂いや雑音が気になり集中できない」などのデメリットが発生する可能性があります。

人との接点が少なくても済む仕事や、在宅勤務などが可能な仕事を選びましょう。

HSPが避けるべき仕事

HSPの人に不向きな仕事も知っておきましょう。

主に下記の3つは、HSPの人が苦痛に感じる可能性が高いでしょう。

・厳しいノルマがある仕事
・スピードが求められる仕事
・人との接点が多い仕事

厳しいノルマがある仕事

ノルマ厳守、売上至上主義の考え方が強い仕事はHSPの人に向いていません。
仕事に追われ、精神的な負担が大きくなってしまいます。
周りからのプレッシャーに耐えかねて、心身に悪影響が出ることもあるでしょう。

「ノルマがあった方がやりがいを感じる」という人以外は、ノルマがない仕事を選ぶことをおすすめします。

スピードが求められる仕事

HSPの人は1つのことを深く慎重に考えられる長所があります。
しかし、テキパキとした機敏さや要領の良さが必要な作業を苦手とする傾向があります。

またマルチタスクも苦手な傾向があるため、スピード感を求められると思考が分散して集中力が低下し、些細なミスを繰り返してしまう可能性もあります。

人との接点が多い仕事

1日にたくさんのお客さんと対面する仕事は避けましょう。
HSPの人は、人の些細な言葉に傷つきやすい傾向があります。

接客業や営業職、コールセンターなどは避けておくと安心です。

まとめ

今回は、HSPの特性や仕事選びのポイント、HSPの人が避けるべき仕事について紹介してきました。

HSPの人でも自分の特性や強みと弱みを正しく理解し、自分の興味のある仕事を探してみましょう。
仕事に対する意欲も湧き、これまで以上に働きやすくなるはずですよ。

もちろん、仕事内容だけでなく、社風や人間関係を確認することも忘れないでくださいね。

自分の強みが分からない場合や、興味のある会社の社風を調べる手立てがない場合は、人材紹介会社に相談してみましょう。
悩みに寄り添いながら、アドバイスをしてくれるはずです。

あなたに最適な仕事が見つかることを祈っています。


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【エビデンス】
*1 マイナビニュース「「HSP」を武器に変える逆転の発想_「繊細過ぎて生きづらい人」のメリットとは? /心理カウンセラー・中島輝
*2 東洋経済新報社「人一倍繊細なHSPが自分を知って楽になる方法
*3 読売新聞オンライン「もしかして私も「繊細さん」?ロンブーも公表したHSP
*4 マイナビニュース「HSPの特徴とは – HSPにみられがちな特性の傾向を紹介
*5 DIAMOND online 「HSP専門カウンセラーが教える「繊細さん」が自分のペースをつかむコツ


【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。