就業人口の減少や共働き世帯の増加などから、女性の活躍は企業にとって必要不可欠となっています。
帝国データバンクが実施した2021年の「女性登用に対する企業の意識調査」によると、企業の女性管理職の割合は平均8.9%で、比較可能な2014年以降で最高の結果となりました。*1
政府が掲げる女性管理職比率30%の目標達成には遠く及ばない結果ではありますが、女性が活躍できる環境が少しずつ増えていることは間違いありません。
そこで今回は、女性管理職が転職を成功させるためには何が必要なのか、どのようにキャリアを意識していけば良いのかについてお伝えしていきます。
女性管理職の転職は難しいと考えずに、自分の可能性に挑戦してみましょう。
女性管理職の現状
帝国データバンクが行った調査によると、調査企業各社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は平均 8.9%となり、過去最高を更新しました。*2
前年比 1.1 ポイント増となり、伸び幅もこれまでで最も大きくなっています。
また、政府が目標として掲げている「女性管理職30%以上」を上回っている企業は8.6%で、依然として1ケタ台にとどまるものの過去最高となりました。
さらに、上記のグラフからもわかるように自社における「女性管理職割合は 5 年前と比較してどのように変わったか」の質問では、「増加した」企業は 20.7%です。
現在と比較して「今後どのように変わると考えているか」では、女性管理職の割合が「増加する」と見込んでいる企業が22.6%となっており、前年より0.9ポイント増加しています。
法律や政策の後押しもあり、これからはさらに多くの企業が男女の就労機会の均等化に取り組み、女性活躍の場を広げていくことが予想されます。
女性管理職に対する社会動向は、少しずつ良い方向に向かっていると考えて良いでしょう。
女性管理職の転職が難しい理由
女性管理職の割合は少しずつ増えてきています。
しかし男性管理職の転職と比べると、女性管理職の転職は今もなお、ハードルが低いとはいえない現実があります。
採用時に、下記のように考える採用担当者はまだまだ多いからです。
- すぐに産休や育休で休まれてしまうのではないか
- 子ども関係で休みが増えるのではないか
- 残業もあるから女性では耐えられないのではないか
- 女性管理職の前例はないから不安だ
その結果、女性よりも「男性を採用した方が安心」という考えになってしまうのです。
もちろん、全ての企業がこのように考えているわけではありません。
女性管理職が活躍している企業もたくさんあります。
就職や転職にあたっては、男女間に区別があってはならないのが大原則です。
しかし家庭や育児との両立に関することは、転職時、男性が問われることは余りありません。
実質的に女性であるがゆえのハードルといわざるを得ないでしょう。
管理職の転職を成功させるためには
そのような中で、女性管理職の転職活動を成功させるには以下の3つが必要となるでしょう。
相応の能力やスキル、経験だけでなく、女性管理職の転職ならではの質問の答えの準備や、会社選びの視点です。
しっかりと準備しておきましょう。
・相応の能力やスキル、経験がある
・家庭や育児との両立体制があることを伝える
・女性管理職が活躍しやすい企業を選ぶ
1つ1つ説明していきます。
相応の能力やスキル、経験がある
管理職の転職では、高い能力があって当然と見なされます。
企業が求めているのは即戦力となる人材です。
企業が求めるスキルをすぐに発揮できることを、人事担当者に確信を与えられる方法でアピールする必要があります。
しかし実績のアピールはとても難しいものです。
経験やスキル、マネジメント経験は見える形で残りにくいため、具体例を挙げて伝えなければなりません。
応募企業に合わせてアピールポイントを定めることや、採用担当者がイメージしやすいようにまとめるなど、アピールする側の工夫が求められます。
家庭や育児との両立体制があることを伝える
管理職として転職するためには、家庭があっても管理職としての務めを果たすことができること、家庭や育児との両立体制がしっかり確立されていることを伝える必要があります。
具体的には、子どもがいる場合には「家族との協力体制がある」「ベビーシッターの活用も検討している」などです。
家族や両親などのサポート体制ができていることや、子どもが熱を出した場合にはどうするのかなど、働く環境を自分でも整えていることを伝えれば、企業も安心して仕事を任せることができます。
女性が活躍しやすい企業を選ぶ
女性管理職の転職を成功させるには、女性が活躍しやすい企業を選ぶことも大切です。
女性が活躍しやすい企業を選べば、転職後も「男性だから」「女性だから」と色眼鏡で見られることなく、管理職として自分の力を発揮しやすくなるでしょう。
女性が活躍しやすい企業を見分けるポイントは「女性の役職登用の実績があるか」です。
すでに女性の役職登用の実績があれば、あなたも活躍できる可能性が高いでしょう。
経営のトップが女性の活躍を打ち出している場合でも、女性の役職登用の実績がなければ、実態とのギャップがあるかもしれません。
女性管理職の比率や、女性役員登用の有無といった数値実績を確認すれば、企業の実態を見極めやすくなります。
人材紹介会社を利用しよう
女性管理職の転職は、ミスマッチを防ぐためにも人材紹介会社を上手に利用しましょう。
管理職の転職の場合、転職サイトなどの媒体に求人を公開していない企業も少なくありません。
自分で情報を集めて企業選びをするよりも、人材紹介会社を利用した方が出会える求人の数が多くなり、マッチング率も高くなります。
また管理職の採用は、企業側も人材を細かく判断します。
採用基準も高いため、1人で企業研究や選考対策などを行うのは大変です。
人材紹介会社は、あなたの経験や希望などのヒアリングから、候補企業のリストアップ、選考対策、面談日の交渉などの細かなところまでサポートしてくれます。
あなたの心強い味方になってくれるはずです。
まとめ
女性管理職の転職についてお伝えしてきました。
一般社員の転職とは違い、女性管理職ならではの転職の難しさが存在することは事実です。
しかしその難しさの根源を理解していれば、より適切な対策を打つことも可能になります。
管理職の転職は難しいからと諦めずに、準備を進めていきましょう。
あわせて、人材紹介会社を利用することも検討してください。
管理職や役員といったポストは重要度が高いため、一般的な求人サイトでは非公開になっていることも多いものです。
人材紹介会社に相談すれば、非公開も含めた優良案件の中から、あなたの希望に沿った求人の提案を受けることができるでしょう。
あなたの転職活動が上手くいくことを願っています。
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【エビデンス】
*1 日経新聞「企業の女性管理職、過去最高も8.9% 21年、民間調査」
*2 帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2021年)」P2
【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。