SNS採用とは?基礎知識やメリット・取り組みのポイントを解説

SNSを自社の採用活動に活用する企業が増えています。

SNSにはさまざまなメリットがあり、上手に活用すれば、採用活動を有利に進めることも可能です。

幅広い人材へのリーチ、深い相互理解の促進やコスト削減など、従来の採用フローの課題を解決できるのがSNSといえます。

本記事では、SNS採用の基礎知識から取り組みのポイントまで解説します。

SNSを活用した採用の基礎知識

まずは、“SNSを使った採用”とはどういうことなのか、基礎知識から見ていきましょう。

SNSを利用した採用活動「ソーシャルリクルーティング」

SNSを利用した採用活動は「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれます。

ソーシャルリクルーティングは、Facebook・Instagram・TwitterなどのSNSを利用した企業の採用活動を表した言葉です。

一方、求人に応募する学生や求職者がSNSを利用して就職活動や転職活動をすることは、俗に「ソー活」と呼ばれています。

「ソー活」は、2012年の新語・流行語大賞にノミネートされたことでも注目されました。*1

「ソーシャルリクルーティング」や「ソー活」は、2012年頃から台頭して、現在に定着したことがわかります。

SNS採用の重要性が増している背景

SNSが採用シーンにおいて重要性を増している背景として挙げられるのが、SNS利用率の向上です。

下図の青色の棒グラフは、SNSの利用率を表しています。

引用)総務省「令和3年版情報通信白書」P57
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/01honpen.pdf

全体のSNS利用率は48.6%で、過半数に迫る勢いです。特に、20代は7割以上、30代は6割以上と、多くの人がSNSを利用しています。

身近なコミュニケーションツールとして浸透しているSNSを活用できるか否かは、企業にとって採用活動の明暗を分けるといっても過言ではありません。

SNSを採用に活用する具体的な方法

具体的にSNSを活用する方法としては、大きく分けて2つあります。

・アカウント運用
・SNS広告

アカウント運用

1つめの方法は「アカウント運用」です。

自社のアカウントをSNSに開設し、そのSNSアカウントにて、採用に関わる情報発信を行います。

発信する情報の内容は、企業の方針や採用戦略によって様々です。

例えば、以下が挙げられます。

▼ SNSアカウントで発信する情報の内容

・求人情報
・インターンシップの様子
・実際に働いている社員の素顔紹介
・社内イベントの紹介
・採用担当者からのアドバイス

SNS広告

2つめの方法は「SNS広告」です。

アカウント運用と組み合わせて実施されることが多い施策で、SNSに広告費を支払って、SNS上に広告を掲載します。

具体的に広告が掲載される場所は、SNS内のフィードや検索結果などです。

SNS広告では、ユーザーの行動履歴に基づいて細かなターゲティングができ、優れた費用対効果を実現しやすい特性があります。

SNSを採用活動に導入するメリット

SNSを採用活動に導入すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

・従来の求人広告ではリーチできない人材にリーチできる
・自社の魅力を深く伝えるプラットフォームとしてSNSは利便性が高い
・情報の拡散性が高く認知度向上のコストを下げやすい
・求職者と長期的につながり続けることができる
・履歴書や面接だけではわからない応募者の魅力を発見できる

5つのポイントを見ていきましょう。

(1)従来の求人広告ではリーチできない人材にリーチできる

1つめのメリットは「従来の求人広告ではリーチできない人材にリーチできる」ことです。

特に、デジタル環境に生まれ育ったZ世代(1990年代後半〜2000年生まれ)のなかには、広告慣れしており、従来の求人広告には反応しない層も増えています。

SNSを利用すれば、従来の求人広告ではリーチできない人材へのアプローチが可能です。

結果として、自社の求める人材に出会える確率が上がります。

(2)自社の魅力を深く伝えるプラットフォームとしてSNSは利便性が高い

2つめのメリットは「自社の魅力を深く伝えるプラットフォームとしてSNSは利便性が高い」ことです。

「うちの会社の良さを、どうすれば伝えられるのだろう」

SNSは、そんな悩みの解決策となり得ます。

SNSの特徴は、ユーザー同士が会話するような気軽さの中で、複数の投稿を重ねていくことです。

「1つのWebページを見て終わり」といったコミュニケーションではなく、時間をかけて、様々な方向性から多角的に情報発信を積み重ねていきます。

表現手法もテキスト・写真・動画と多岐にわたるSNSは、自社の魅力を掘り下げて伝達するツールとして利便性が高いのです。

(3)情報の拡散性が高く認知度向上のコストを下げやすい

3つめのメリットは「情報の拡散性が高く認知度向上のコストを下げやすい」ことです。

“バズる”という言葉があるように、SNSは情報の拡散が起きやすいメディアです。

例えば「自社の認知度を上げたい」という課題がある場合、すべてを広告施策に頼ると莫大な費用が必要です。

しかし、SNS上でのオーガニック拡散(自然発生的な拡散)をうまく活用することで、コスト削減につながります。

(4)求職者と長期的につながり続けることができる

4つめのメリットは「求職者と長期的につながり続けることができる」ことです。

一過性の広告では効果が持続せず短期的ですが、SNSでは求職者に自社アカウントをフォローしてもらうことで、長期的につながりを継続できます。

例えば、現在のタイミングでは入社に至らなかったとしても、数年後の転職のタイミングが来たときに採用に至る、といったケースを作りやすいのが、SNSの利点です。

(5)履歴書や面接だけではわからない応募者の魅力を発見できる

5つめのメリットは「履歴書や面接だけではわからない応募者の魅力を発見できる」ことです。

深掘りした魅力を伝えやすいのは、企業だけではありません。応募者の魅力を発掘するうえでも、SNSは有益です。

応募者自身のアカウントを通して、履歴書や面接だけではうかがい知れない応募者の素顔を知ることができます。

特に、デジタル人材や、発信力・影響力を持つ人材の採用を目指している場合、応募者のSNSアカウントは重要な情報源となるでしょう。

SNSで採用の質と効率を向上させる取り組みのポイント

SNSで採用の質と効率を向上させるためには、押さえたいポイントがあります。

・何のためにSNSを活用するのか目的を明確にする
・アカウント運用はSNSのバランス感覚に優れた担当者をアサインする
・ユーザーにとって役立つ情報を発信する

それぞれ解説します。

(1)何のためにSNSを活用するのか目的を明確にする

1つめのポイントは「何のためにSNSを活用するのか目的を明確にする」ことです。

「SNS採用」と一言にいっても、そのやり方は無限に存在します。というのは、SNSはひとつのツールでしかないからです。

SNSというツールを使って何をするか?は、それぞれの企業の目的に基づいて、自社にとっての最適解を熟考しなければなりません。

まずは、SNSを使って何をしたいのか、目的を明確にするところから始めましょう。

目的を曖昧なままにせず、できるだけ明確に具体的にしていけば、何をすべきかおのずと見えてきます。

(2)アカウント運用はSNSのバランス感覚に優れた担当者をアサインする

2つめのポイントは「アカウント運用はSNSのバランス感覚に優れた担当者をアサインする」ことです。

SNSのアカウント運用で注意しなければならないのは、リテラシーの欠如や無知による不適切な投稿です。

世界中の人たちの目に触れるSNSだからこそ、不適切な投稿で誰かを傷つけたり、炎上を引き起こしたりするリスクに、敏感である必要があります。

炎上するほどではなくとも、好感を持たれにくい投稿を続けていては、採用活動に役立つどころか逆効果です。

アカウントの運用は、インターネットリテラシーはもちろん、各SNSの文化や空気感にも精通した担当者をアサインするのがポイントとなります。

社内に適任者がいない場合には、必要な知識を事前にしっかり学んだうえで取り組むようにしましょう。

(3)ユーザーにとって役立つ情報を発信する

3つめのポイントは「ユーザーにとって役立つ情報を発信する」ことです。

SNS上では、自社の利益だけを考えた宣伝やアピールが、支持を得ることはありません。

多くの「いいね」を獲得するのは、得てして誰かの役に立つ情報です。

採用活動にSNSを利用する際にも、“価値のある情報発信”を心掛けることがポイントとなります。

SNSユーザーの視点に立ち、ユーザーにとってプラスになるSNS運用を実践することが、巡り巡って自社の利益になるのです。

さいごに

SNSは、私たちの生活にすっかり定着し、もはやインフラといってもよいでしょう。

うまく活用できれば、それだけ採用活動を有利に進めることができます。

できるだけ早く導入を進め、試行錯誤しながらも、自社にとって最適な活用方法を見つけていきましょう。


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【エビデンス】
*1 参考)「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 第29回 2012年 授賞語
https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00029


【著者】三島 つむぎ
ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。