在宅ワークのパフォーマンスを向上させる仕事術 — ビジネスパーソンに必須のスキル

コロナ禍では、多くの企業が半ば強制的に“働き方改革”を迫られ、在宅ワーク(在宅勤務、リモートワーク)への移行が急ピッチで進みました。

「通勤時間を節約できる」
「仕事で感じるストレスが減った」
など、好意的な受け止めをする人が多い一方で、思うように成果を出せずに悩むビジネスパーソンも増えています。

本記事では、多くの人が感じ始めた在宅ワークのデメリットに触れながら、その解決策を考えていきましょう。

在宅ワークのデメリット・継続したくない理由

まずは、在宅ワークのデメリット・継続したくない理由から見ていきましょう。

厚生労働省委託で実施された「令和2年度テレワークの労務管理に関する総合的実態調査」によれば、在宅ワークのデメリット・継続したくない理由は以下のとおりです。

*1

3割以上の人が挙げたポイントを抜粋してみましょう。

・1位:同僚や部下とのコミュニケーションがとりにくい(56.0%)
・2位:上司とのコミュニケーションが取りにくい(54.4%)
・3位:在宅勤務で可能な業務が限られる(49.1%)
・4位:OA機器(モニター、プリンタなど)が揃っていない(38.6%)
・5位:仕事と仕事以外の時間の切り分けが難しい(30.1%)

上位1〜2位が「コミュニケーションの取りにくさ」となっており、コミュニケーションが大きな課題です。

次いで、可能な業務の限界や設備環境の不備、時間の切り分けなどが続きます。

デメリットを「特にない」と答えた人は全体のわずか4%。ほとんどの人が懸念や不満を抱えつつ在宅ワークに携わっていることがわかります。

見方を変えれば、多くの人が多かれ少なかれ“くすぶっている”現状に解決策を見いだし、一足先に抜け出した人がアドバンテージを得る状況となっているのです。

その具体的なヒントは、次章でご紹介しましょう。

在宅ワークだからこそできる仕事術でデメリットを解消する方法

在宅ワークでパフォーマンスを上げるために重要なポイントは、2つあります。

・出社勤務にはない“在宅ワークだからこそ”の利点を最大化してデメリットを相殺する
・環境・機器などお金や労力をかければ解決できる課題はできる限り解決する

上記2つのポイントを前提としつつ、具体的な5つの方法を見ていきましょう。

・遮断されたコミュニケーションを逆手にとって集中する
・コミュニケーションの“最後の後味”を常に良くしておく
・Web会議をスムーズにする
・自分専用の仕事環境を構築する
・横になって休む

遮断されたコミュニケーションを逆手にとって集中する

1つめは「遮断されたコミュニケーションを逆手にとって集中する」です。

“在宅ワークにおけるコミュニケーションの取りにくさ問題”は、多くの人が実感するところでしょう。

ビジネスチャットやWeb会議、その他のデジタルツールを駆使して、コミュニケーションの穴を埋めるべく尽力している組織が多い状況です。

しかしながら、埋められる穴には限界があるのもまた事実。出社勤務と比較すれば、物理的な距離が大きいからです。

であれば発想を転換し、いっそ「コミュニケーションが取りにくいからこそのプラス面」を最大化していきましょう。

コミュニケーションが減った分、急な仕事の依頼や余計な雑談の時間も減っているはずです。

自分の仕事に集中しやすい利点に目を向け、アウトプットの質を高めることに注力しましょう。

アウトプットの質が高まると、結果として従来より少ないコミュニケーションでも、成果を上げやすくなります。

コミュニケーションの“最後の後味”を常に良くしておく

2つめは「コミュニケーションの“最後の後味”を常に良くしておく」です。

「自分の仕事に集中といっても、上司や部下の様子が気になってモヤモヤする」
こんな声は多いものです。

在宅ワークでの“モヤモヤ”をなくすコミュニケーションのコツは、「相手とのコミュニケーションの締め」を意識すること。

というのは、出社勤務なら、その後の表情をチラッとうかがったり、気になれば声をかけたりと、“様子見”ができます。

しかし在宅ワークでは様子見がゼロになるため、コミュニケーションの最後の印象が強く残ります。後味が悪ければ“モヤモヤ”が長時間つきまとい、集中力を削ぐのです。

社内の誰と接するときでも、とにかく“後味”にはこだわってください。いつでもコミュニケーションの締めを良い印象で終えておくと、多少のすれ違いが起きたとしても、修復しやすくなります。

Web会議をスムーズにする

3つめは「Web会議をスムーズにする」です。

「在宅ワークはコミュニケーションが取りづらい」という人の話をよくよく聞いてみると、Zoomなどのツールを利用したWeb会議にストレスを抱えている例が多く見られます。

・テンポ良く会話ができない
・大きな声で話さないと伝わらない
・相手の声が聞き取りづらい
・聞き直し・言い直しが多くて疲れてしまう

もし上記の悩みを抱えている場合、それはWeb会議のせいではなく、使用しているインターネット回線・パソコン・カメラ・マイク・イヤホンに原因があるかもしれません。

本来、適切なネット回線と設備があれば、対面の会話や電話と近いレベルで、スムーズにコミュニケーションを取れるはずです。

ネット回線の速度は十分か・古いパソコンを使っていないかなど、改めてチェックしてみましょう。

例えば意外に知られていない点として、「Mac × Bluetoothイヤホン」があります。Macでは、BluetoothイヤホンとBluetoothイヤホン付属マイクを同時に使うと、音質が著しく低下する特徴があるのです。

参考:Mac で Bluetooth ヘッドフォンの使用時に音質が低下する場合 – Apple サポート (日本)

筆者も以前経験があり、「プツプツ、ザザー」といった雑音がひどく入って、相手の声を聞き取るのに苦労しました。

現在では、Bluetoothイヤホンを使う際はBluetoothイヤホン付属マイクは使わず、Mac本体のマイクに切り替えることで解決しています。

自分専用の仕事環境を構築する

4つめは「自分専用の仕事環境を構築する」です。

出社勤務では、与えられた環境に適応して仕事するしかありません。対して、自分専用の環境を自由に構築できることは、在宅ワークならではのメリットです。

・椅子の種類
・デスクの高さ
・BGM
・室温
・香り
・部屋の明るさ
・その他

自分にとってのベストを選択しましょう。

「家族がいると集中しづらい」
「自分だけの空間を作れない」
……という声も聞きますが、そういう人ほど環境づくりに工夫をこらしたいところです。

例えば、少々値は張りますが、周囲の雑音を遮断するノイズキャンセリング機能搭載のヘッドフォンを装着すると、それだけで集中度は大きく異なります。

横になって休む

5つめは「横になって休む」です。

唐突かもしれませんが、在宅ワークだからこそできる簡単かつ強力なリフレッシュ方法が“横になること”といえます。

仕事と仕事以外の切り分けが難しくなってリフレッシュしづらいときや、同僚との雑談やランチのような息抜きが欲しいときにおすすめです。

大の字にあおむけになり、座りすぎで負担のかかっている腰を伸ばしながら、 目をつぶって情報をシャットアウトしましょう。体と脳を効率的に休めることができます。

さいごに

在宅ワークでパフォーマンスが向上している人の特徴は何か?と考えてみると、ひとつの答えは「自分自身をよく知っている人」といえます。

自分の生産性は、どんな条件で最大化するのか。普通の人が無自覚な、微細な要素にさえ気付いている人は、自由に環境づくりができる在宅ワークで本領発揮しています。

これからの時代を生きるビジネスパーソンにとって、在宅ワークで成果を出す力は必須のスキルとなりつつあります。自分を客観視し知り尽くすところから、始めてみましょう。


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【エビデンス】
*1 厚生労働省委託事業 令和2年度テレワークの労務管理に関する総合的実態調査研究事業 報告書 p.143


【著者】三島 つむぎ
ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。