「副業でスキルアップしたい」なら最初に知っておくべき大事な話

とても魅力的に響く「副業でスキルアップ」という言葉。“お金を稼げてスキルも身につく”なんて、一石二鳥に思えるかもしれません。

しかし、そんな耳触りの良さの裏には、本質を見失ってしまうリスクが隠れていることをご存じでしょうか。

本記事では、「自分のスキルアップも兼ねて、副業にチャレンジしたい」と思ったとき、最初に知っておくべき大事な話をお伝えします。

副業で専門スキルだけ磨いても成功するのは難しい

“副業でスキルアップ”というと、資格などの「専門スキル」を身に付けることをイメージする人が大多数です。

なかには、副業で使う専門スキルを習得するために、高額の費用を支払って、セミナーや講座を受講しているケースも。

しかし、“副業で専門スキルだけ磨いても成功するのは難しい”という現実を、最初に知っておきましょう。

その理由は2つあります。

理由(1)副業からスペシャリストへの道は険しい

1つめの理由として「副業からスペシャリストへの道は険しい」ことが挙げられます。

副業を通して専門スキルを身に付けたとしても、専門スキルを極める道で収入を大幅アップさせたり、ポジションを高めたりできる人は、ほんの一握りです。

なぜなら、本業として何十年も専門スキルを磨いてきた、百戦錬磨のスペシャリストたちがひしめく世界で勝負することになるからです。

類い希なる才能の持ち主を除けば、副業から専門スキルを武器とするスペシャリストに這い上がるのは、至難の業といえるでしょう。

理由(2)専門スキルは特定の場所で限られた期間しか役に立たない

2つめの理由は「専門スキルは特定の場所で限られた期間しか役に立たない」からです。

専門スキルは、ある特定の分野で重用される高度な技術や深い知識を指しますが、逆にいえば、特定のニッチ分野以外では価値がなく、つぶしが効きません。

そのうえ、変化が激しい現代においては、「一生勉強を続けて知識や技術をアップデートし続けないと、使い物にならなくなる」というリスクを抱えています。

なかには10年・20年後、社会から必要とされなくなる専門スキルもあるでしょう。

“副業で専門スキルを身に付ける”ことを安易に目標にしてしまうと、望む結果にならないばかりか、後悔することになりかねません。

副業で身に付けるべきは専門スキルより汎用スキル

では、副業を通して身に付けるべきスキルは何か?といえば、あらゆる職業に通じる「汎用スキル」です。

汎用スキルとは

汎用スキルとは、ある特定の分野・限られた時期しか通用しない専門スキルとは異なり、どこの職場・いつの時代でも通用する「汎用性のあるスキル」です。

特定の用途や目的に限定されず、どんな職でもつぶしが効く汎用スキルを身に付けることが、今後のキャリアを好転させてくれます。

▼ 汎用スキルの例

・企画提案力
・コミュニケーション
・プレゼンテーション
・問題分析
・論理的思考
・創造的思考
・プロフィット感覚
・プロジェクトマネジメント
・戦略策定
・交渉力
・人材マネジメント
・俯瞰力

これらはあくまで一例ですが、どんな職業であっても必要とされる「汎用性」こそ、副業を通じて身に付けたいスキルです。

キャリアビジョンから逆算して身に付けたい汎用スキルを具体化する

ここで気になるのが、

「自分は、どんな汎用スキルを身に付ければいい?」

……という点ではないでしょうか。

そこで必要になるのが、キャリアビジョンからの逆算思考です。

自分が将来こうなりたいと目指す未来の姿(=キャリアビジョン)を先に描き、その未来から逆算して、いま身に付けるべき汎用スキルを具体化するのです。

身に付けるべき汎用スキルが明らかになったら、そのスキル取得に役立つ副業を探して、チャレンジしていきましょう。

ビジョンを描けないなら副業を活用してデータ収集する

さて、ビジョンの話をすると必ず出るのが、

「ビジョンを描けなくて困っている」

という声です。

キャリアビジョンを描こうとしてもうまく描けないなら、その材料(=ビジョンを描くためのデータ)が不足しているのかもしれません。

データが不足しているのは、すなわち経験が不足しているからです。

副業は、不足している経験を補い、ビジョンを描くための材料データを収集するためにも活用できます。

副業の良いところは“つまみ食い”ができること

副業の良いところは、リスクが少なくたくさんの仕事をつまみ食いできることです。

“つまみ食い”というとネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、自分のビジョンが定まるまでは、堂々と副業のつまみ食いをして、経験を多く重ねるのがおすすめです。

本業だったら頻繁に転職を繰り返すわけにもいきませんが、副業なら、同時に多くの種類の仕事を抱えたり、合わない仕事は1回限りで終了したり、たくさんの経験が並行してできます。

ビジョンを描くために不足している「経験」を、急ピッチで蓄積できるのが副業の利点です。

嫌な思い・良い思いの体験データがビジョンを具体化する

副業をしていくと、嫌な思いをすることもあれば、良い思いをすることもあるでしょう。それでOKです。

嫌な思い・良い思いの“体験データ”が、キャリアビジョンを具体化してくれるからです。

嫌な思いを体験してはじめて、

「私には、こういう仕事は向いていないんだな」

「こういう人たちとは関わらない場所で仕事をしたい」

というデータが取れます。

逆に、良い思いを体験してはじめて、

「この種類の仕事は楽しんでできる」

「私はこういうタイプの人たちと相性が良いみたい」

というデータが取れます。

データを取るごとに、自分のキャリアビジョンの“輪郭”が、はっきりしていくことがわかるはずです。

体験データが十分に蓄積されると、自然と「将来こうなりたい・こうなりたくない」というキャリアビジョンを描けるようになります。

そうなるまで、副業を通して“嫌な思い・良い思い”をたくさんしてください。

キャリアビジョンが描けたら、ビジョンから逆算して必要なスキルを洗い出し、今度はスキルアップを目的とした副業に取り組んでいきましょう。

さいごに

筆者自身、本業・副業のダブルワーク・トリプルワーク時代を経て、現在はフリーランスとして活動しています。

筆者にとって副業の最大のメリットは、同時にたくさんの世界を体験できることでした。

今いる会社と“違う世界”の「生体験」は、それだけで財産です。

副業をスタートした当時は、「どんなスキルを身に付けられるか」「どれだけ副収入を増やせるか」は二の次で、ただただ、新しい世界をパラレルワールドで生きているかのように同時並行で体験することに夢中でした。

その結果、経験値が増え、多角的な思考や俯瞰力が鍛えられ、独立後の仕事に役立っていると感じます。

“副業=専門スキルの習得”という固定観念にとらわれず、ぜひ副業を「失敗しても大けがしない、自由にやりたい仕事を試せる場所」としてとらえ、たくさんの経験をしてみてください。


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【著者】三島 つむぎ

ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。