テクノロジーの発展に加えコロナ禍の影響などによって、今まで以上に変化が激しい時代となっています。
企業活動でもこれまでと同じやり方では、上手くいかなくなるケースも増えているのではないでしょうか。
実際に、時代の変化や企業の課題に対応したいと考えつつも、 専⾨的な⼈材や知識、ノウハウの不⾜を感じている企業が多く存在しています。*1
こういった背景から、即戦力を採用する「キャリア採用」が注目されるようになりました。
しかし、キャリア採用は中途採用と何が違うのか、明確に答えられる人はあまり多くありません。
そこで今回は、キャリア採用と中途採用の違いや、キャリア採用をサポートする際のポイントについて説明します。
キャリア採用と中途採用の違い
中途採用は、新卒採用以外で不定期に行う採用活動全般のことを指し、社会人経験のある人材を対象としています。
経験者採用はもちろんのこと、未経験者採用や第二新卒採用も含むのが一般的です。
一方でキャリア採用は、「即戦力であることをより明確に」表現するために使用されることが多くなっています。*2
例えば、法人営業の募集で「法人営業の実務経験が3年以上」などと条件を絞り募集する場合はキャリア採用になります。
つまり新卒以外の採用を「中途採用」と呼び、中途採用の中でも即戦力となる経験者採用を「キャリア採用」と呼んでいるのです。
難易度が増すキャリア採用
2019年から2020年にかけての転職市場は、コロナ禍により採用実施企業が減少していましたが、2021年には少しずつ回復してきています。
企業の中途採用の意向調査でも、おおよそ半数の企業が2021年7月以降の採用に積極的になると回答しました。*3
しかし企業の採用基準を見ると、「厳しくした・する予定」と回答した企業が2020年と比較して増加しており、採用活動には慎重な状態が窺えます。
また応募条件を見ても「業界経験者」「職種経験者」を希望する企業が多くなっています。
コロナ禍により経営状況がまだ回復していない中で、未経験者の育成に投資することを、リスクに感じている企業が多いようです。*3
キャリア採用は、ますます激化していくと予想されます。
キャリア採用が激化する人材とは
急速に広がるデジタル化に対応しようと、企業の間で中途採用の枠を拡大する動きが相次いでいます。
特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う専門人材は採用が激化すると予想されています。
DXはIT(情報技術)やデータを使い業務や組織を変革することで、経済産業省は30年に最大79万人の関連人材が不足する可能性を指摘しました。*4
また、企業採用担当者の7割以上が、求職者の「クリエイティブツールスキル」を重要視していることも明らかになっています。*5
クリエイティブツールスキルとは、ソフトウェアを使って、簡単な写真・画像編集・加工、動画編集・作成、またイラスト作画・チラシやポスターのデザインなどができることです。
営業職や企画・経営職など、職種に関わらずクリエイティブツールスキルを持つ人材の採用は難易度が高まっているようです。
ITの知識やソフトウェアの知識がある人材のキャリア採用は、業界職種問わず激化していくことでしょう。
キャリア採用を成功させる4つのポイント
経験者を採用することは、企業にとってたくさんのメリットがあります。
しかし、ただ漠然と採用活動を行なっても、成功させることはできません。
キャリア採用を成功させるためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。
・求める人材・採用基準を明確にする
・給与水準や仕事環境を整える
・自社の魅力を積極的にアピールする
・フォローはしっかりと行う
求める人材・採用基準を明確にする
採用活動は、企業の事業計画を達成するために行うものです。
だからこそ、適当に採用する人物像を決めることはできません。
しかし明確な採用基準がなければ、採用担当者の直感で採用を決めてしまうということが起こります。
本来ならば活躍できたはずの人材を不採用にしてしまう可能性もあるでしょう。
最低限クリアしていることが望ましい採用基準を設定し、どんな採用担当であっても一定の選考結果を出せるように準備することが重要です。
また採用してもすぐに辞められてしまえば、時間やコストが無駄になってしまいます。
どのような人材を採用すれば、長く活躍してくれるのかを考えることも必要です。
給与や仕事環境を整える
求める人物像が決まったとしても、希望通りの人が応募してくれるとは限りません。
例えば、募集職種の給与相場が月給30万円であるのに、月給25万円で募集しても、応募を集めるのは難しいでしょう。
だからこそ、求める人材の給与相場や待遇を把握することが大切です。
他社の求人を確認したり、人材紹介会社に相談して相場を確認してみましょう。
また仕事環境も大切です。
キャリア採用を希望する求職者は、より高い給与や専門的なスキルなどを求めています。
優秀な人材を採用し、できるだけ長く在籍してもらうためにも、仕事環境を整えることは、キャリア採用を成功させるためのポイントです。
自社の魅力を積極的にアピールする
キャリア採用は即戦力となるため、他の企業もその人を求めている可能性が高いものです。
自然と採用の難易度は高くなります。
また求職者も転職活動では平均8.4社に応募しています。*6
企業は求職者を選考する立場ではありますが、求職者も企業を選定していることを忘れてはなりません。
そこで自社に興味を持ってもらうために、魅力を積極的にアピールすることが必要です。
求人や採用サイトには、業務内容や給与などの必要最低限な情報だけではなく、仕事のやりがい、任せたいミッション、一緒に働く人の雰囲気、入社後のキャリアなど、さまざまな情報を掲載して魅力を伝えましょう。
フォローはしっかりと行う
内定を出しても、その求職者が入社してくれるとは限りません。
優秀な人材であればあるほど、他社の選考も進み、内定が出ていることが十分に考えられます。
求職者に自社を選んでもらうためには、求職者の不安な部分を取り除くことで入社意欲を上げる必要があります。
社内見学の実施や、既存社員とのランチの時間を設けるなどもフォローとして効果的です。
仕事内容や給与だけでなく、自社に魅力を感じてもらうことで、他社と差別化することができます。
まとめ
キャリア採用と中途採用は、社会人経験のある人材を採用する点では共通しています。
より即戦力に近い人材を得るためには、キャリア採用を用いた方が効果的です。
迷った場合には、人材紹介会社に相談するのも一つの手段かも知れません。
しっかりしたパートナーを選べば、的確なアドバイスを受けながら、採用成功まで伴走してくれるでしょう。
貴社の採用活動が上手くいくことを願っています。
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【エビデンス】
*1 財務局「新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響とポストコロナに向けた新たな事業展開や需要創造等の対応(特別調査)P7」
*2 マイナビジョブ20‘s「キャリア採用と中途採用は何が違う?押さえておきたいポイント」
*3 マイナビニュース「転職のハードルは上がっている? 最新調査をマイナビが発表」
*4 日本経済新聞「企業の中途採用、なぜ伸びる?」
*5 Adobe「企業採用担当者の7割以上が、求職者の「クリエイティブツールスキル」を重要視 転職市場でのニーズがここ10年で4.2倍に増加した職種も」
*6 マイナビ転職「【転職活動、何社応募した?】平均応募社数や、選考通過・内定の確率はどれくらい?」
【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。