転職にも繋がるパラレルキャリアとは?副業との違いやメリット、始め方を知ろう

働き方や雇用形態が多様化する現代において、注目されているのが「パラレルキャリア」という考え方です。

しかし、「パラレルキャリアってどんなもの?」「どんなメリットがあるの?」「そもそもどうやって始めれば良いの?」という疑問を持っている人も多いと思います。

そこで今回は、パラレルキャリアの考え方や、メリット、始め方について説明します。

パラレルキャリアとは

パラレルキャリアとは、報酬のあるなしにかかわらず人生を豊かにするために、もう1つの活動に本業と平行して取り組むことです。

経営学者のピーター・ドラッカーが『明日を支配するもの-21世紀のマネジメント革命』などの著書で提唱しました。*1

具体的には本業を行いながら別の仕事をする、あるいはボランティア活動などに参加するなどのライフスタイルを指します。

例えば、下記のような人たちです。

・休日に地域のボランティアに参加する
・主婦の経験を活かして家事代行業を行う
・得意な語学を活かして通訳ガイドをする
・週末に夫婦でカフェを経営する
・会社に勤務するかたわら、高校でスポーツのコーチを務める
・旅行会社に勤めながら農業を行う*2

趣味から活動の幅を広げたり、起業の準備として始めたり、NPO法人やボランティアサイトを通じて活動を行ったりと、多様な始め方があります。

初めは無報酬で行っていた活動が、次第に報酬を得られるようになることもあります。

パラレルキャリアと副業の違い

パラレルキャリアと副業の大きな違いは、その「目的」です。

副業は「副収入」を目的とするのに対し、パラレルキャリアは「本業では得られない経験ややりがい、社会貢献など」を目的とします。

つまりパラレルキャリアは、収入が伴うとは限りません。

逆に副業は報酬を目的としていますので、経験ややりがいなどは二の次となります。

パラレルキャリアの5つのメリット

ここでは、パラレルキャリアのメリットを5つ紹介します。

パラレルキャリアは新しい経験ができるだけでなく、その先にたくさんのメリットがあるのです。

・気軽に新しいことを始められる
・人脈が広がる
・本業を客観視できるようになる
・経験を転職に活かせる
・起業や副業の準備になる

気軽に新しいことを始められる

パラレルキャリアは収入を目的とせず、本業とは別に好きなことや興味のあることに挑戦するものですので、転職のように慎重になる必要がありません。

やりたいことや好きなことに挑戦してみて、自分の向き不向きを確認することができます。

現在の就業環境に不満や不安を抱いている人は、今のポジションのまま気軽に挑戦できるパラレルキャリアで、まずは気になることに挑戦してみると良いでしょう。

また自分のやりたい仕事や向いている仕事が分からない場合も、本業と並行してさまざまなことを体験することで、いきなり転職するよりも低リスクで希望の仕事を探せます。

人脈が広がる

パラレルキャリアとして本業とは別のコミュニティに所属することによって、人脈が広がり、多様な価値観や考え方にも出会うきっかけが生まれます。

特に自分とは異なる価値観を持つ人と交流すれば、自分の意識が変わり、柔軟な発想力を養うことができるでしょう。

1つの環境で長く働いていると、安定した収入を得られるというメリットがありますが、新しい出会いや刺激が少ないというデメリットもあります。

パラレルキャリアを築くことで、そのデメリットを補うことが可能です。

本業を客観視できるようになる

新しいコミュニティに所属し、自分と違う考えや価値観に触れることで、物の見方や考え方の幅が広がります。

その結果、本業を客観視できるようになるでしょう。

それぞれの業界や会社、部署には、特有の習慣や考え方が存在します。

しかし本業以外の環境に身を置くことで、当たり前だと思っていたルールの不自然さや、効率の悪さに気が付くきっかけになります。

さらに新たな視点から本業と関わることで、モチベーションアップも期待できます。

経験を転職に活かせる

パラレルキャリアの経験は、転職に活かせます。

例えば、会社ではマネジメント経験がなくても、社外活動でマネジメントを経験し、そのスキルが転職時の採用選考で評価されることがあります。*1

また社外活動で築いたネットワークを通じて、自分の希望に合う転職先を見つけたり、ボランティアが転職のきっかけになるということもあるようです。*3

パラレルキャリアを築くことは、将来の選択肢を増やすことにも繋がります。

起業や副業の準備になる

パラレルキャリアは報酬を目的とはしませんが、結果的に収入につながることがあります。

例えば、SNSでイラストを公開していたら仕事の話が舞い込んできた、ボランティアで子どもに勉強を教えていたときのノウハウを活かして学習塾を開業したなどです。

本業で十分な収入を得ながら、起業や副業のために試行錯誤できることがパラレルキャリアの強みでもあります。

パラレルキャリアなら「好きだから」「興味があったから」「やってみたい」などの理由で、収入などを気にせず取り組めます。

また副業を認める会社も増えているので、パラレルキャリアとして始めた仕事を軸に正社員が起業することも可能となってきました。*4

パラレルキャリアを始めるには

パラレルキャリアの始め方は、人によって異なります。

一番想像しやすいのは趣味から広げていく方法です。

「イラストを描くのが好きだから」「デザインが好きだから」などの好きを広げて、極めることにより自分の得意分野の確立ができます。

またボランティア活動やNPO法人の活動などを通じて行う場合は、誰でも参加しやすいものから、職業上のスキルや知識を活かしたプロボノなどがあります。*5

どのような活動に参加したいかを考えて、その団体に問い合わせてみましょう。

その他には、社会人の勉強会や交流会に参加したり、クラウドソーシングを利用して本業とは別の仕事をしたりする方法があります。

やりたいことがない場合

「やりたいことが見つからない人」や「趣味がない人」は、3か月ごとに趣味を変えて、たくさんのことを経験してみましょう。*6

好きなことも嫌いなことも、やってみなければ分かりません。

もし初めてすぐに「自分には合わない」と感じたときでも、ある程度の期間続けることによって「どんな作業が苦手なのか」が具体的に分かるようになってきます。

趣味を変えていく中で、見つけたやりたいことや得意なことを伸ばしていけば、あなたの強みとなっていくはずです。

パラレルキャリアの注意点

パラレルキャリアには明らかなデメリットはありません。

しかし気を付けないと、本業や体調に悪影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、パラレルキャリアの注意点をお伝えします。

勤務先の規定を確認する

副業や兼業を禁止していないかなどを、勤務先に確認しましょう。

会社によっては、事前に申請が必要といったケースもありますので注意してください。

副業を禁止している会社でも、報酬を得ない活動であれば許可をしてくれる場合があります。

体を休める時間も確保する

パラレルキャリアは本業の休みの日や、すき間時間を利用して行います。

パラレルキャリアの活動に没頭するあまり、休息する日がなくなる可能性があります。

しっかりと体を休める時間も確保することで、充実したライフスタイルを実現することができるでしょう。

まとめ

現代は働き方も多様化し、個人が自分で考え、選択し、動く時代になりました。

これからは会社の中でキャリアを積むだけではなく、会社の外にも目を向けて、自分の夢や目標、働き方を見直してみましょう。

自分のやりがいや成長のために、パラレルキャリアを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。


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【エビデンス】
*1 NIKKEI STYLE「「パラレルキャリア」なぜ注目? 転職成功の強い味方
*2 NHK「農業もする!“パラレルノーカー” #十勝農業放送局
*3 NIKKEI STYLE「本業で営業、副業で広報 育児も両立のパラレルワーク
*4 NIKKEI STYLE「複数名刺のパラレルキャリア 副業の経験、本業で輝く
*5 朝日新聞「プロボノ…地域や人を支え、自分も成長 地方での発展に驚く
*6 東洋経済新報社「複業の第一歩に「3か月ごとの趣味」がいい理由


【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。