「今の仕事にやりがいを感じられない」
「自分のしたいことが分からない」
仕事やキャリアに対してモヤモヤしている人は、Will Can Mustのフレームワークをやってみましょう。
自分のことを知るきっかけになり、キャリアプランを立てるときに役立ちます。
今回は、Will Can Mustのフレームワークを活用するメリットや、進め方について詳しく説明します。
Will Can Mustとは
「Will Can Must」とは、キャリアプランの設計や将来の目標設計、モチベーション維持などのために用いるフレームワークです。
就職や転職のときだけでなく、企業の目標設定などでも使われています。
「Will(やりたいこと・したいこと)」「Can(できること・得意なこと)」「Must(やらなければいけないこと)」の観点から、「自分に最も適した仕事は何か」「何を目標としていくか」などを考えていきます。
Will・Can・Mustが「大きく」かつ「重なっている」人は、ハイパフォーマーとして活躍していることが多いのです。
本人が仕事にやりがいを感じており、遂行する能力もある、さらには周囲からも期待されてるという理想的な状態です。
一方、Will・Can・Mustのいずれかが「小さい」「離れている」などのズレが生じている状態だと、ローパフォーマーになってしまいます。
自分のパフォーマンスを最大化するために、Will・Can・Mustを明確にしていくのが、Will Can Mustのフレームワークです。
Will Can Mustを活用するメリット
Will Can Mustを活用するメリットは、当然のことですが以下のように想定できます。
・仕事のパフォーマンスが上がる
・キャリアビジョンが明確になる
仕事のパフォーマンスが上がる
Will・Can・Mustを明らかにすれば、自分の長期的なミッションやビジョン、中期の目標を明確にすることができます。
「自分の目標」「大切にしたいこと」が分かれば、それを実現するために仕事を頑張る道筋が見えてくるでしょう。
また、自分の想いを言語化することで、第三者と共有することが可能です。
企業が個人の目標設定で用いれば、設定した目標の管理がしやすくなり、定期的に振り返ることもできるようになります。
キャリアビジョンが明確になる
「Will・Can・Mustのどれを重視して仕事選びをするのか」「自分にはどんなWillやCanがあり、Mustに応えられる適応力があるのか」を認識するだけでも、キャリアビジョンが明確になります。*1
さらに「Will・Can・Mustの3つの重なりが得られるか」を意識すれば、自分が活躍できる環境も見つけやすくなるでしょう。
「自分はどんな人物になりたいのか」「どのような人生を送りたいのか」が分からないという場合は、CanやMustから考えていけば、やりたいことが見つけやすくなります。*2
できること(Can)や、やるべきこと(Must)を一生懸命やっているうちに、やりたいこと(Will)も具体的に見えてくるはずです。
「Will Can Must」フレームワークの進め方
Will Can Mustのフレームワークは、下記の手順で進めていきます。
1.ライフラインを作る
2.Willを考える
3.Canを洗い出す
4.Mustを考える
5.キャリアプランを立てる
転職を考えている人や、キャリアの悩みを脱却したい人は、ぜひやってみてください。
1.ライフラインを作る
まず、ライフラインを作成しましょう。
縦軸を満足度・充実度、横軸を年齢として、仕事に対しての満足度や就職・転職・結婚などのライフイベントを書き込んでいきます。
次に、満足度・充実度が高かった時期に注目して、その理由を掘り下げていきましょう。
自分は「どんなことに満足感を感じたのか」「なぜそう思ったのか」を考えることで、今まで気がつかなかった自分の本質にたどり着けるかもしれません。
上記の画像の場合は、社外のいろいろな人と接触して仕事をしていた出向時代に、満足度が高くなっています。*3
会社内の決まったメンバーで固定的に仕事をするよりも、社外の人と新たな出会いを繰り返しながら仕事をする方が向いていることが分かります。
2.Willを考える
満足度を得られるポイントが分かったら、次はWillを考えていきましょう。
Willは、「~したい」という「夢」や「希望」のことです。
「こんなことができるといいな」「こうありたいな」という理想の状態を、思いつくだけ書き出してみてください。
もしもピンとくるものが出てこない場合は、「楽しいこと」「好きなこと」「やりがいを感じること」を考えて、そこから「未来にどんな自分でありたいか」を想像してみるといいでしょう。*4
やりたいことをたくさん書き出せば、自分が求めているものが少しずつ明確になっていくはずです。
3.Canを洗い出す
次に、Canとしてあなたの「強み」を洗い出しましょう。
「自分は何ができるのか」「どんなスキル・資格があるか」「どんな経験をしているか」を考えていきます。
これは意志にかかわらず、自分に問いかけてみることが大切です。
例えば「別に好きじゃないけど接客が得意」「そんなにやりたいわけじゃないけど、事務処理はできる」なども強みになります。*1
また、仕事に対しての姿勢や向き合い方、自分の性格などもCanに含まれます。
自分が得意だと思うことをどんどん書き出しましょう。
4.Mustを考える
Mustは、「しなければならない」ことです。
「周囲の人や社会から求められること」「やるべきこと」を考えていきます。
同僚や上司などの意見を聞いて、自分の意見と照らし合わせてみるのもおすすめです。
自分では「やるべきこと」だと思っていても、周りはそう思っていない可能性があります。
また、仕事だけでなく、家族の中での役割も考えておきましょう。
キャリアプランを立てる
Willで書き出した「やりたいこと」を達成するために、自分が今すべきことは何かを考え、目標を設定しましょう。
目標は高すぎるものよりも、少し頑張れば達成できるものをいくつも用意しておくのがおすすめです。
「いつまでに」「何を」「どうするか」を具体的に決めておくことで、Willを実現しやすくなります。
また、やりたくない仕事を任された場合は、目的・理由を置き換えて、MustをうまくWillに変換しましょう。*4
例えば、会社の指示で英語の勉強をしなくてはならなくなったとき、やりたくもない勉強をする状況はMustです。
しかし「英語が話せたら、臆することなく海外旅行に行ける」と考えてみてください。
外国人とコミュニケーションが取れて、外国人の恋人もできるかもしれません。
嫌だったはずの英語学習を、自分の価値あるものにすれば、Must からWillに変換できます。
まとめ
Will Can Mustについて説明してきました。
Will Can Mustのフレームワークを活用することで、自分が本当にやりたいことや、自分に足りていないものが分かるようになります。
今の状況やキャリアに悩んでいる人は、ぜひフレームワークを試してみてください。
転職面接の際の自己分析や、ビジネススタイルの確立にも役立つでしょう。
新しい自分の一面が、見えてくるかもしれませんよ。
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【エビデンス】
*1 マイナビ2023「仕事の成功と失敗 あなたの価値は他者が決める」
*2 NIKKEI STYLE「ミスマッチは起こる 半年で会社辞めた先輩からの助言」
*3 ミドルシニアマガジン「自分が充実するポイントを発見できる「ライフライン」の作り方|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.05」
*4 マイナビニュース「仕事の「やらされ感」は自分の欲求を出せば変わる」
【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供するプライム市場上場企業(元
東証1部)に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。