高学歴の転職はいつまで有利?失敗する可能性は?気になる疑問を詳しく解説

新卒採用の時、いわゆる高学歴とされる武器を活かし、就活を有利に進められたと考える人は多いのではないでしょうか。
もちろん、中途採用の転職活動でも高学歴は武器の一つです。
しかし中途採用の転職では、学歴よりも社会人としての職歴を問う企業が多く、その恩恵は新卒採用の時に比べると少ないと感じるでしょう。

そこで今回は、高学歴の完全失業率や高学歴の転職状況について確認し、「高学歴が転職を成功させるためのポイント」をお伝えしていきます。
転職と学歴はどの程度の関連性があり、そしてどの程度活かすことができるのかについても確認していきましょう。

年齢・学歴別の完全失業率からわかること

ひと昔前であれば、良い大学に入学して、良い会社に就職すれば、終身雇用に守られ、安泰な生涯を送れると考えられていました。
実際に近年でも、若年層では高学歴ほど低い失業率となっています。*1

しかし高齢層の失業率では学歴の差があまり出ておらず、むしろ高学歴の方が失業率が高い場合があることが確認できます。

(引用)マイナビニュース「高学歴の低所得者や失業者が急増しているワケ

これは「定年退職・早期退職後の再就職には学歴はさほど影響しない」からに他なりません。
また「高学歴が必ずしも高齢者の雇用ニーズに合致するわけではないこと」「高学歴者の老後の働き方の志向とニーズがマッチしていないこと」もうかがえます。*1
定年退職後も高学歴ゆえの高望みをして、再就職のハードルを自ら上げてしまった結果として、そのハードルを飛び越えられない状態となっているのです。

これらは若年層でも同じことが起こり得ます。
高学歴だからといって、転職先に多くの条件を求めすぎてしまうと失業期間が長引くことになるでしょう。

高学歴は転職で有利なのか?

では、高学歴は転職でどの程度の武器になるのでしょうか。

プレジデント誌が1970年代~2010年代の各年代に就職した方を対象に行った調査によると、就職活動に出身大学が影響するかの質問では「かなり影響する」が59.7%、「多少影響する」が35.0%と、出身大学が就職活動に影響するとの回答が実に95%近くに達しました。*2

一方で転職活動となると、「かなり影響する」は29.5%と大幅に減少しています。
「多少影響する」が46.5%と高いものの、就職時に比べれば転職は出身大学の影響は減少するといえるでしょう。

(参考)PRESIDENT「出身大学は人生にどれほど影響するか」を参考に筆者作成

就職活動とは、学生・失業者など職に就いていない人が雇用されるための活動を指します。
しかし失業は誰しもが経験することではないため、「大学新卒者の就職活動」のこととして使われることが多い言葉です。
そのため今回の調査での就職活動と転職活動の違いは、正社員として務めた経験、職歴があるかないかであると考えられます。

つまり調査の結果から、就職もしくは職歴が浅いうちの転職では、学歴が強い武器になるといえるでしょう。
そしてキャリアを積んでいくうちに、学歴よりも職歴が重視されるようになると考えられます。

高学歴が転職を成功させるためのポイント

高学歴が転職を成功させるためには、自分自身としっかり向き合い、行動に移すことが大切です。
ここでは、転職活動の時に取り組むべきポイントをご紹介します。

・学歴が武器となるのは20代までと考える
・自己分析をする
・キャリアプランを立てる
・職歴、スキル、人間性をアピールする
・人材紹介会社を活用する

学歴が武器となるのは20代までと考える

学歴が武器となるのは20代までと考えておきましょう。

学歴と職歴の評価のバランスをパーセンテージで表すと、新卒採用時は職歴が0%ですから学歴の評価が100%になります。

それが徐々に齢を重ねていくにつれて、職歴の割合が増えていき、32~33歳頃にその割合が逆転します。*3
35歳であれば80~90%が職歴、そして40歳になると学歴の評価はほぼ0%です。

つまり40歳になる頃には、一流大学を出た人よりも、学歴がいま一つだった人の方が高く評価されることもあります。

高学歴を十分に活かして就職・転職するためには、仕事に対する意識を改め、チャンスが多いうちに行動しなければなりません。

30代以降の転職では経験やスキルなど、学歴以外のセールスポイントが必要です。

自己分析をする

自分に合った仕事を見つけるためには、丁寧な自己分析が必要です。
自分を客観的に振り返ることで、長所や短所、価値観などが明確になり、より適性のある就職先が見つけやすくなります。

また「やりたいことがない」という人も、自分の得意なこと、苦手なことなどを丁寧に分析していくことで、自分に合っている仕事、向いている仕事が分かってくるでしょう。

キャリアプランを立てる

自分が5年後、10年後の将来にどうなりたいかを考えて、キャリアプランを立てましょう。

将来の目標を定め、それに向けて何をするべきかを整理すれば、具体的な行動ができます。
目標が決まっていることで、働きはじめてからも、ゴールに向かって努力し、モチベーションを維持することが可能です。

また面接では、キャリアプランについて質問されることもあります。
自分のキャリアプランを、応募企業の理念や仕事内容に絡めて具体的に語ることができれば、企業側から高評価を得られるでしょう。

職歴、スキル、人間性をアピールする

面接では、限られた時間の中で自分自身について知ってもらわなければなりません。
学歴だけでなく職歴や、スキル、人間性の部分をアピールしましょう。

高学歴であることにあぐらをかいて選考準備を怠ってしまうと、どれだけ能力が高くても気づいて貰えなかったり、熱意なしとみなされてしまったりして、不採用に繋がります。

「書類選考は通るけれど面接では落とされてばかり」という人は、面接準備を見直してみましょう。

学歴を当てにせず、選考の準備をしっかりと行うことが必要です。

人材紹介会社を活用する

人材紹介会社を上手に活用しましょう。

人材紹介会社には、非公開求人というものがあります。
⾮公開求⼈は、企業のWebサイトや転職サイトなどで⼀般に公開されていない求⼈情報のため、自分で探しても見つけることはできません。

人材紹介会社に相談すれば将来のキャリアプランも考慮した上で、「非公開求人」を含む多数の求人情報の中からあなたに合った求人を紹介してくれます。

⾮公開求⼈の中には、仕事内容や条件⾯が公開求⼈を上回るケースもあります。*4
転職を⼈⽣のステップアップのために⾏うならば、利⽤する価値は⼤いにあるでしょう。

まとめ

学歴は転職者を判断する材料の1つです。
高学歴だからといって転職活動が上手くいくわけではありません。

転職活動で評価されるのは、職歴や能力、スキル、人柄、コミュニケーション能力など様々です。
学歴に頼らずに、どうすれば自分自身の魅力を企業に伝えられるのかを研究しましょう。

自己分析を行い、キャリアプランを立て、しっかりと準備すれば、あなたが望んでいる転職を実現できるはずです。

あなたの転職活動が成功することを願っています。


【無料】人材紹介事業者向けセミナーのアーカイブ配信

現在、人材紹介事業を行っている方はもちろん、
人材紹介事業の起業を検討中の方向けの動画もご用意しております。
求職者集客から求人開拓まで、幅広いテーマを揃えていますので、お気軽にご視聴ください!
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
視聴料 :無料
視聴手順:
①下記ボタンをクリック
②気になるセミナー動画を選ぶ
③リンク先にて、動画視聴お申込みフォームにご登録
④アーカイブ配信視聴用URLをメールにてご送付
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –



【エビデンス】
*1 マイナビニュース「高学歴の低所得者や失業者が急増しているワケ
*2 PRESIDENT「出身大学は人生にどれほど影響するか
*3 DIAMONDonline「高学歴にも「賞味期限」がある。それは何歳までか
*4 マイナビAGENT「⾮公開求⼈とは?


【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。