女性が働きやすい会社の特徴とは 厚生労働省の認定企業を中心に詳しく解説

「女性が働きやすい会社」とはどんな職場なのでしょうか?

令和元年に「女性活躍推進法等の一部を改正する法律」が成立するなど、女性の活躍促進には注目が集まっており、企業でも女性の活躍促進のための取り組みが行われています。*1

今回は「女性が働きやすい会社とはどのようなものなのか」を、具体的な企業の事例と共にご紹介します。
これから転職や再就職を検討している女性は、ぜひ参考にしてみてください。

女性が働きやすい職場とは

ビズヒッツが2021年に働く女性500名(既婚53.4%、未婚46.6%)を対象に行った「働きやすい職場に関する意識調査」によると、現在の職場が「働きやすい」「どちらかというと働きやすい」と回答した女性は77.6%でした。*2

働きやすいと答えた理由では「職場の人間関係や雰囲気がいい(333人)」が、2位以下に大差をつけて1位です。

次いで2位が「プライベートと両立しやすい(125人)」、3位が「待遇に納得できる(81人)」という結果でした。

それぞれのコメントを確認すると、1位「 職場の人間関係や雰囲気がいい」では、「仕事内容が多少きつくても、関係性が良ければ頑張れます」「たとえ給料が高くても、人間関係や雰囲気が悪い職場は働きにくいです」などの声がありました。

しかし、「人間関係はある意味ドライなほうが働きやすい」というような意見もあり、「心地よい人間関係」の定義は人それぞれのようです。

2位の「プライベートと両立しやすい」では、「時間の融通がきく」「定時で帰れる」「休みやすい」ことに魅力を感じる女性が多いとわかりました。

3位の「待遇に納得できる」では、給料や福利厚生などの待遇面の良さを求めている人が多くいるようです。評価については、「公平さ」「明確な基準・ルール」を求める声が寄せられました。

女性が働きやすい企業

ここでは「女性が働きやすい企業」として、世間から高く評価されている企業について見ていきましょう。

ブランド総合研究所の実施した「企業版SDGs調査2020」では、投資経験者、ビジネスマン、SDGs認知者、専業主婦、若年層などのステークホルダー約1万人が、日本を代表する企業210社を評価しました。*3

「女性が働きやすい」という項目で高評価を受けた企業は下記のとおりです。

3位までの企業の取り組みを確認してみましょう。

「ワコール」の取り組み

今回1位になったワコールでは、2016年4月より施行された「女性活躍推進法」に基づき、一般事業主行動計画を策定しています。
2021年2月には、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業として「えるぼし」の認定を取得しました。*4

また、従業員全体に占める女性比率が高い一方で、管理職に占める女性割合は低いことを重要な経営課題と捉え、様々な制度の充実や研修プログラムを実施するなど、女性のキャリア形成のための支援を継続して行っています。

その結果、2016年3月の女性管理職の比率は18.6%でしたが、2020年3月時点では23.7%まで上昇しました。

さらに性別問わず、誰でも働く時間、場所に関係なく成果を創出するための環境・制度整備を行うことも目標に掲げ、「働きやすさ」の視点で環境整備を進めているようです。

「ヤクルト」の取り組み

ヤクルトグループでは、「女性活躍推進」や「年次有給休暇の取得促進と長時間労働の削減」、「保存休暇制度」などを行っています。*5

具体的には、年次有給休暇の取得促進を図るために、「誕生日休暇」「アニバーサリー休暇」「ボランティア休暇」を設けたり、長時間労働の削減のために「ノー残業デー」を設けたりと、働きやすい職場環境の整備を進めているようです。

またヤクルトレディの働きやすい環境をサポートするために、企業内保育施設「ヤクルト保育所」を1970年代から各地で運営しています。
子育て中の主婦でも、安心して仕事を始めることができるでしょう。

子育てサポート企業としての取り組みが評価され、厚生労働大臣より「プラチナくるみん」 の認定を受けています。

「イオン」の取り組み

イオンは2013年5月に開催した株主総会にて、当時の代表取締役社長が「女性管理職比率50%」、そして「日本一女性が働きやすく活躍できる会社。日本一女性が働きたい会社」を目指すことを宣言しました。実際に、約9,000人の女性が管理職として活躍しています。*6

具体的な取り組みとしては、支社ごとに女性の活躍推進を担う責任者を配置したり、中長期的な視点に立ったキャリアプランの形成を支援する研修を行ったりしています。*7

また子育て世代が安心して働き続けられる環境づくりの一環として、事業所内保育所を展開し、出産・育児休暇からのスムーズな復職、子育てをしながら働く従業員の活躍のサポートもしているようです。*8

女性が働きやすい会社の特徴

「働きやすい職場に関する意識調査」や「女性が働きやすい企業」の取り組みから、女性が働きやすい会社の特徴をまとめていきます。

・管理職に女性がいる
・働く場所や時間の融通がきく
・制度の利用実績がある
・「くるみん」「えるぼし」マークを取得している

女性が働きやすい職場環境のある企業を探す時のポイントにもなります。
ぜひ参考にしてください。

管理職に女性がいる

女性管理職の割合は、女性の活躍度合いを測る際の重要な物差しです。

管理職の女性が多い会社は、性別に関係なく「誰もが努力に応じた評価を得られる」会社であると考えられます。

また、育児経験のある女性管理職がいれば、産休や育休を取得しても、キャリアアップができる環境であると言えます。

女性管理職はロールモデルにもなり、昇進を目指して働きたい女性にとって心強い要素となるでしょう。

働く場所や時間の融通がきく

結婚、出産、子育てでは、働ける場所や時間が制限されてしまいます。

しかし働く環境を柔軟に選ぶことができれば、女性の働き方の選択肢を増やすことに繋がり、いきいきと働き続けることができるでしょう。

例えば、フレックスタイム制やリモートワークを利用すれば、子どもが体調を崩した時に子どもを病院に連れて行ってから出勤したり、家で看病しながら仕事をしたりすることが可能となります。

働く場所や時間の融通がきく会社は、プライベートと仕事を両立しやすいのです。

制度の利用実績がある

産休・育休に関する制度や時短勤務の制度、リモートワークの導入などを取り入れている企業は数多くあります。

しかし、そうした制度が実際には機能していなかったり、育休からの復帰率が100%であっても、その後すぐ退職していたりする可能もあります。

制度があるかどうかだけでなく、利用実績があるかどうかも重要なポイントです。

「くるみん」「えるぼし」マークを取得している

「くるみん」「えるぼし」マークを取得しているかどうかも、女性が働きやすい会社かどうかを見極める基準の1つとなります。

「くるみん」「えるぼし」マークとは、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる制度で、どちらも女性活躍に取組む企業を認定するものです。*9

(引用)東京都産業労働局 女性の活躍推進加速化事業「「えるぼし」「くるみん」とは?

女性の活躍推進に向けて、企業が積極的に取り組まなくては取得できない高い基準となっています。
女性の働きやすい会社を探す際、「くるみん」「えるぼし」マークの有無は、一定の判断材料となるでしょう。

まとめ

今回は「女性が働きやすい会社とはどのようなものなのか」について説明してきました。

ランキングに入っている企業は、一般的にみて「女性が働きやすい会社」です。
しかし「働きやすさ」とは、一人ひとりの価値観によって異なります。

自分にとって働きやすい会社を見つけるためには、「自分は仕事に何を求めるのか」を整理することが重要です。

自分が何を求めるているのかを整理し、自分にぴったりな会社を見つけてください。
応援しています。


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【エビデンス】
*1 都道府県労働局 雇用環境・均等部「改正女性活躍推進法が施行されます!
*2 マイナビニュース「女性に聞いた「働きやすい」職場の条件、1位は? – 2位プライベートと両立
*3 DIAMONDonline「女性が働きやすい企業ランキング2020【全20位・完全版】
*4 ワコールホールディングス「女性の活躍推進
*5 ヤクルト「従事者・人権
*6 イオン「サステナビリティ
*7 イオン「女性の活躍推進
*8 イオン「イオンの事業所内保育園
*9 東京都産業労働局 女性の活躍推進加速化事業「「えるぼし」「くるみん」とは?


【著者】髙橋 めぐみ
求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する一部上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在はこれまでの経験を活かし、人材や教育に関する記事を中心にフリーライターとして活動中。