人材紹介の営業は本当にやばいのか?仕事内容と向いている人の特徴を解説

人材紹介業の営業は企業と求職者をつなぐ社会的に重要な職業の一つですが、よく「やばい」「きつい」といった良くないイメージを持たれることが多いです。

ですが、営業担当者が実際にどんな業務を行っていて、なぜそのような良くないイメージを持たれているのかはご存じでしょうか?

本記事では、人材紹介営業の概要と、法人営業、個人営業、両面型の3つのタイプに焦点を当て、それぞれの仕事内容ややりがい、きつさ、そして向いている人の特徴について解説します。

人材紹介営業の3つのタイプ

法人営業 リクルーティングアドバイザー(RA)の仕事内容

法人営業とは、企業との連携を通じて優秀な人材を見つけ、採用プロセスをサポートする役割を果たします。リクルーティングアドバイザー(RA)はその中でも特に重要なポジションで、企業のニーズに合わせた人材のスカウトや選考プロセスの策定を担当します。

個人営業 キャリアアドバイザー(CA)の仕事内容

個人営業の代表格であるキャリアアドバイザー(CA)は、求職者と直接コンタクトをとり、彼らのスキルや志向に合った仕事を提案します。キャリアのアドバイスやキャリアプランの策定も担当し、求職者との信頼関係を築くことが重要です。

両面型の営業職の仕事内容

両面型の営業職は、法人と求職者の両方に関わる総合的な仕事です。企業の要望に合わせた人材スカウトや選考プロセスだけでなく、求職者のキャリアプランやスキルの向上にも注力します。両者のバランス感覚と調整能力が求められる難易度の高い職種といえます。

法人営業のやりがい

企業の人材採用に貢献できる

法人営業は企業に適した優秀な人材を提供することで、企業の業績向上に貢献できるやりがいがあります。企業の成功に寄与することで、自身の仕事に誇りを感じることができます。

企業と求職者両方の人生を変える可能性がある

採用成功は企業だけでなく、求職者にとっても大きな意味を持ちます。適材適所の採用が実現すれば、求職者のキャリアにおいても前進が期待できるため、やりがいを感じることができるのです。

法人営業がきつい理由

法人の質と量のノルマ

法人営業がきつい理由の一つは、法人の質と量に関する厳しいノルマです。このノルマは、既存取引先との関係を構築・維持する一方で、新たな企業との取引を拡大するという両面の課題を抱えています。

既存取引先との質的なノルマ

既存のクライアントとの関係を深め、サービス提供の質を向上させることは、法人営業において不可欠です。例えば、人材紹介業の場合、クライアントの求める人材の適切なマッチングや、スムーズな採用プロセスのサポートが求められます。こうした質的なノルマは、クライアント満足度の向上に直結し、長期的な取引の基盤を築く役割を果たします。

新規取引との量的なノルマ

一方で、新たな企業との取引を増やすことも求められます。例えば、月間で一定数の新規クライアントを獲得するといった具体的な数値目標が設定されることがあります。これには、市場調査や競合分析、効果的なセールス戦略の策定などが必要です。新規取引の量的なノルマは、市場の変動や競争激化により、営業担当者にとっては追い風となることもありますが、同時に達成が難しく、プレッシャーを生む一因ともなります。

具体例と数値

例えば、既存クライアントとの質的なノルマとしては、年間で既存クライアントとの契約更新率を90%以上維持することが求められる場合があります。また、新規取引の量的なノルマとして、月に少なくとも5つの新規クライアントを獲得するといった目標が設定されることもあります。

景気変動の影響を受けやすい

引用:厚生労働省「雇用・失業情勢の動向

人材紹介業は景気変動の影響を受けやすい業種でもあり、市況や企業の状態に左右されることがあります。上記の図を見ると、リーマンショックや新型コロナウイルスが流行した時期に有効求人倍率が大幅に減少しているのがわかると思います。景気が悪化すれば企業は採用する人数を減らすため、人材紹介業者にとっては大きな痛手となります。こういった不確実性は排除することが難しく、法人営業担当者にとっては悩みの種となります。

競合他社が多い

市場競争の激化

人材紹介業界では競合他社が数多く存在し、求人案件ごとに複数の人材紹介会社が競り合う激しい市場状況が見られます。クライアント企業は最適な人材を獲得するために、複数の人材紹介会社に同時に依頼をかけることが一般的であり、これにより競合が発生しやすくなります。

差別化の必要性

競争が激しい状況下では、単なる価格競争だけではなく、差別化が求められます。営業担当者は、自社の強みや付加価値を明確に伝え、他社との差別化を図る必要があります。これには、独自のサービス提供計画、特定業界への専門化、効率的かつスピーディーな人材紹介プロセスなどが含まれます。

顧客ニーズの理解

競争が激しいなかで成功するためには、顧客ニーズを深く理解し、それに適したソリューションを提供することが不可欠です。クライアント企業は単なる人材の提供だけでなく、人材の質、プロセスの効率性、付加価値の提供などを求めています。営業担当者はこれらの要素を的確に把握し、クライアントの期待に応えるプロポーザルを用意する必要があります。

効果的なセールス戦略

競合が激しい状況では、効果的なセールス戦略が不可欠です。これには、クライアントとの強固な信頼関係構築、効果的な営業プレゼンテーション、迅速で適切な情報提供、そしてクライアントの課題に対する理解と解決策の提示が含まれます。また、積極的なマーケティング活動やオンラインプレゼンスの構築も、差別化と顧客獲得に寄与する重要な要素となります。

リードタイムが長く即金性が低い

人材紹介業界では、求人から採用までのリードタイムが平均で約2~3ヶ月かかるケースが一般的です。これは、適切な候補者を見つけ、面接プロセスを経て最終的な採用までの期間を指します。また、報酬の支払いも採用が確定してからとなるため、即金性が低い傾向があり、短期間でのノルマに追われる営業担当者にとってはストレスの要因になり得ます。

内定辞退や入社してすぐの退社がある

採用プロセスの最終段階で内定辞退が発生することや、入社後すぐに離職するケースもあります。この場合、今まで労力をかけて進めてきた案件が一気に振出しに戻ってしまうため、営業担当者にとってはつらい瞬間です。

個人営業のやりがい

個人営業のやりがいは、何よりもサポートした求職者が転職に成功し、その喜びと感謝の言葉を受け取ったときに感じられます。求職者へのサポートは長い時には3ヶ月にも及ぶことがあり、転職活動のサポートを続けていく中で様々な苦労も経験します。ですがその分、求職者が理想の職に就き、それが将来にわたって続く成功に繋がった時の喜びはひとしおで、営業担当者はその成功に共感し、大きな満足感を得ることができます。求職者の成功が、担当者自身にも新たなやりがいと達成感をもたらしてくれます。

個人営業がきつい理由

営業のノルマが厳しい

個人営業は一方で厳しい側面も存在します。企業によっては営業のノルマが厳しく、自身の実績次第で収入も大きく変動します。競争が激しく、成功するためには努力が欠かせません。具体的な例をあげて考えてみましょう。月に500万円の売上ノルマが課されたとして、ノルマ達成に必要な月間の人材紹介成約者数を考えてみます。人材紹介業は成果報酬型と言われる料金体系であり、その利益の殆どは成約時の紹介手数料から発生します。よって、人材紹介業の売上を式に表すと次のようになります。

人材紹介業の売上=人材紹介成約者数×紹介手数料の平均額

また、人材紹介業の紹介手数料は一般的に内定者の年収の20〜30%とされています。よって、内定者の年収平均を450万円と仮定すると、月間500万円のノルマ目標を達成するのに必要な成約者数は以下の通り求められます。

500万円=人材紹介成約者数×450万円×0.3
ノルマ達成に必要な人材紹介成約者数=3.7人

この3.7人という数字は一見すると少ないようにも感じられますが、内定成功までにかかる新規アポイントの獲得やスケジュールの調整、各種面談、書類の添削などの膨大な工数を考えると、容易なノルマでは決してありません。

仕事量が多い労働集約型の仕事だから

個人営業は求職者とのコミュニケーションや提案、契約のために多くの時間と労力を費やすため、労働集約型の仕事とされます。例えば、新規アポイントの獲得や、求職者との複数回の面談、提出書類の添削などの多くの業務を担当者一人で行わなければなりません。これらの業務は求職者と良好な関係を築くためには必要不可欠であるため質を落とすこともできず、場合によっては長時間の労働が必要となることもあります。

ワークライフバランスの確保が難しいから

個人営業は顧客との面談が多く、求職者の都合に合わせて土日や、夜遅い時間に働く事も頻繁にあります。また、休日に求職者から相談のメールや電話がかかってくることもあります。そのため、仕事とプライベートを完全に分離させることが難しく、ワークライフバランスを確保したい方にとっては大きなストレスとなります。

両面型営業のきつい理由

両面型営業は法人と求職者の双方に対応するため、バランス感覚と調整能力が求められます。加えて、法人営業と個人営業それぞれの課題も抱えており、その厳しさは両者の合算となります。

紹介営業に向いている人の特徴

細かいコミュニケーションが取れる人

人材紹介営業は細かいニーズに対応することが求められるため、コミュニケーション能力が非常に重要です。クライアントや求職者との信頼関係を築くためには、適切なコミュニケーションが不可欠です。

忍耐強さがあり、ノルマを追える人

営業の世界には失敗がつきものです。失敗してもへこたれない忍耐強さがあり、ノルマを追い求める精神力がとても重要です。継続的な努力が成功に結びつくことが多いです。

問題解決能力に自信がある人

求職者と企業双方のニーズにマッチングさせるためには、問題解決能力が必要です。柔軟で効果的な解決策を提供できることが、成功の鍵となります。

人と関わるのが好きな人

人材紹介営業はクライアントとの密な関係構築や求職者との対話が頻繁に発生します。人との関わりを楽しむことができ、コミュニケーションが得意な人が向いています。

まとめ

人材紹介の営業はやりがいとプレッシャーが入り混じったキャリアの一つです。法人営業、個人営業、両面型のそれぞれには特有のやりがいと厳しさが存在します。成功するためには、細やかなコミュニケーション能力や問題解決能力、そして忍耐強さが不可欠です。適した営業スタイルやポジションを見つけ、自身の強みを活かすことがキャリアの成功につながります。

【無料】人材紹介事業者向けセミナーのアーカイブ配信

現在、人材紹介事業を行っている方はもちろん、
人材紹介事業の起業を検討中の方向けの動画もご用意しております。
求職者集客から求人開拓まで、幅広いテーマを揃えていますので、お気軽にご視聴ください!
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
視聴料 :無料
視聴手順:
①下記ボタンをクリック
②気になるセミナー動画を選ぶ
③リンク先にて、動画視聴お申込みフォームにご登録
④アーカイブ配信視聴用URLをメールにてご送付
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –